秦野市議会議員選挙から見えたもの

秦野市議会議員選挙、定数24に対し34人が立候補しました。前回は定数26で立候補者27でしたので様相は一変し激戦となりました。

地方議会への立候補者が減少し良く言えば少数激戦の地域が多い中で一挙に立候補者が増えたのは注目に値します。選挙らしい選挙にならなければ関心は高まりません。

立候補者の激増は投票率には直結しませんでした。前回の秦野市議選は44.96パーセントで史上最低の投票率でした。今回は46.90パーセントでした。

これだけ立候補者が増えても投票率の大幅アップにつながらないのは深刻です。激戦、混戦だけでは有権者の関心を呼び覚ますことはできないことの証明です。

投票率を一気に押し上げるのは、耳目を引くドラマ性と単純明快な政策的な争点があるか否かが大きいです。橋下大阪市長のような役者がいないと難しいです。

だとしたら地道な道を選ぶしかありません。地方議員各人が地道に議会活動をしてじわじわと有権者の関心を積み重ねる総和で投票率アップを図るのが王道です。

今回、苦戦のうわさを払いのけて大きく得票を伸ばした議員がいます。前回初当選の古木勝久さんです。古木さんは1181票から1790票へと609票伸ばしました。。

地盤看板鞄なしで確たる組織票を持ちません。4年間の議会内での質疑とその記録を記した活動報告のチラシを駅頭などで配り続けることで票を積み上げました。

市議一人ひとりがこのような活動を積んでいけば有権者も反応します。市議会への関心は間違いなく高まります。小さな積み重ねはばかにできません。

秦野市議会には、神倉寛明さんというスターがいました。34歳で前々回の市議選に立候補し4363票のダントツの衝撃のデビューを飾りました。

秦野市に本店のあるテレビで評判のラーメン店経営者の支援を前面に打ち出し2人のポスターによるイメージ戦略も巧みでした。ツッパリ風で変革イメージを演出しました。

二回目の選挙では5285票という2位の候補を1000票以上差をつけて当選しました。神倉さんはこの4月に神奈川県会議員選挙に出馬初当選しました。

神倉さんに続くスターが秦野市議会に誕生するかどうか注目しました。加藤剛さんに私は注目しました。誠実な人柄と何か光るものを持っていたからです。

青年実業家としての活動実績もあり秦野市の教育委員会委員としても活躍していました。3000票を超える得票を得ればスター誕生だと思いました。

結果は、2531票で4位でした。新人の中ではトップでした。しかし突き抜けるところまでは行きませんでした。スター誕生はなりませんでした。

でも素質は十分です。この4年間地道に議会活動を愚直に積んで欲しいです。本来の素質が磨かれて開花することは間違いありません。期待します。

地方自治体は、少子高齢化の急展開の中で地方創生を成し遂げることが求められています。議会の役割はとてつもなく重いです。行政の追認機関であってはなりません。

首長が決められず停滞している課題は数多あります。議会の方から積極的に提案することで打開して欲しいです。個人で無理なら会派で取り組むべきです。