バイオマスタウン真庭ツアー報告3

2015-09-07 09-06-04

(バイオマスタウン真庭のツアーコンダクター)

北関東、東北と「いまだかつてない」とされる豪雨が襲い河川の氾濫など大きな被害をもたらしています。鬼怒川という国管理の一級河川の土手の決壊は衝撃です。

岡山県真庭市も2004年10月に台風によって地域の宝であるヒノキや杉の美林が倒れました。真庭市は高度機械化によってこの危機を乗り越えました。

チェーンソーによる山林作業からプロセッサーと呼ばれる森林を伐採する小型重機の導入を進めました。近代化によって若手の林業者の育成が進んだということです。

高度機械化は林業の再生のためには不可欠であることがわかります。効率化できませんと経済的に成り立ちません。若者も就業しようとしません。

真庭市のバイオマスタウン構想の原動力は行政ではありませんでした。22年前「21世紀真庭塾」という地元の若手経営者が中心となった組織が立ち上がりました。

真庭市には、現在、中国自動車道、鳥取自動車道、岡山自動車道という三本の高速道路が走っています。五つもインターチェンジがあります。

中山間地でありながら利便性が高く産業や観光に有利とも言えますが一方で都市部への人口の流出も懸念されます。地元経営者は後者を心配しました。

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町並みの景観を保存して地域資源に磨きをかけて地域の振興を図ろうとしました。もう一つはバイオマスを活用して資源循環型の社会を目指しました。

勝山地区の街並みは美しく保存されてました。電線は全て地中化されてました。短時間でしたが歩く歩みが自然とゆっくりになってしまう感じでした。

伝統ある造り酒屋の当主が街並み保存に精力を注がれたと伺いました。地域を心から愛する人のほとばしる情熱が美しい街並みを再生させると改めて思いました。

町おこしは人材です。人が全ての原点です。本気で町を何とかしようとする人たちが塊となれば相当のことが出来ます。真庭市の町づくりが証明しています。

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今回のツアーで私たちを案内してくれたのは地域の観光協会の連合組織の観光連盟の女性職員でした。行政職員ではなく民間団体の職員です。

真庭市の売りをデザインしたポロシャツを着て熱心で親切でやる気がみなぎっていました。こうした職員の存在自体が真庭市の広告塔になります。とても好印象でした。

バイオマスタウン構想において行政の役割は、バイオマス普及啓発活動です。子供たちへの教育とか市民向けの講座とかといった事業です。

構想を推進する主体はあくまでも民間という姿勢です。私は率直に言って疑問を持ちました。行政の強力な後押しがないと構想は失速するのではないかと思います。

真庭市のように林業者製材業の土台があって中心となる企業の意欲的な挑戦があって更に人材も揃っていても中山間地の活性化は容易ではありません。

木材の完全自由化は変わりません。更に国際的な競争は厳しくなろうとしています。地域資源を磨き観光による地域活性化はどこも進めようとしています。

こうした難しい状況を見渡しつつバイオマスタウン構想を核に新しい真庭市を創造しようとするには行政が全責任を負って支える体制が不可欠で課題だと思いました。