ラグビー日本代表の快挙から「日本」を考える。
ラグビーの日本代表が世界を驚かす大仕事をやってのけました。優勝候補の一角の南アフリカに勝ちました。終了間際の逆転トライのドラマでした。
巨漢ぞろいの南アフリカの選手に一人目が低い姿勢のタックルで足元に飛び込み、素早く2人目の選手がボールを持っている胸元を抑え込むタックルを繰り返しました。
忍耐強く繰り返される防御に南アフリカの選手が反則を犯し日本代表が誇るキッカーの五郎丸歩選手が確実にペナルティーキックを決めました。
攻める方でも世界を驚愕させました。身体能力ではかなわない相手にチームとして対抗しました。モールといっておしくらまんじゅうのように押し合うプレーがあります。
真正面からぶつからず素早く少しずらして相手の圧力をかわしその後人数をかけて押し込みゴールラインを割り切りました。凄かったです。
トライを挙げた後半のバックスのサインプレーには見とれてしまいました。スピードと巧みなパスを組み合わせて相手ディフェンスを切り裂きました。
そして終了間際の激闘です。3点差で負けていた日本代表は相手の反則でペナルティーキックのチャンスを得ました。五郎丸選手なら楽々と得点できる距離でした。
キャプテンの判断は勝負でした。ペナルティーキックの3点で同点を狙うのではなくあくまでトライの5点を狙いに行きました。戦慄が走りました。
ワールドカップでは24試合戦ってわずか1勝のチームです。ラグビー王国のニュージーランドに145点取られ史上最多失点の記録もあります。
しかし負け犬根性はありませんでした。勝ちに行きました。この決断にはしびれました。勝っても負けても潔く、これぞ大和魂の発露です。結果は大吉でした。
右に左にとボールを動かし相手の防御が届かなくなったところでトライを奪いました。試合会場は興奮のるつぼと化しました。天は奇跡のドラマを用意してました。
日本の勝利は大々的にメディアで報じられました。初めてラグビーの話に触れた方は、日本代表なのに外国人選手が多いことが不思議だと思われるでしょう。
ラグビーの場合は3年間選手として在籍したチームの国の代表となることが出来ます。日本国内で多くの外国人選手が活躍していますのでその中から選出されてます。
日本国籍を取得した外国人選手もいます。キャプテンのリーチ・マイケル選手はニュージーランド出身で高校から日本留学、日本国籍を取りました。
チームを率いるのはラグビー界の世界的な名将であるエディー・ジョーンズさんです。ニッポンウェイを打ち出しました。日本流で世界に挑むというのです。
労苦をいとわない勤勉さ、チーム力、器用さ、素早さといった日本人の特性を活かした戦術を遂行できるようにチームを仕立て上げてきました。
日本人だけでは日本らしい戦法で勝つことはできません。身体能力の高い外国人選手を適材適所に配置してニッポンウェイを敢行しようとした訳です。
南アフリカに勝ったことによって日本代表への注目度は一気に高まりました。次はスコットランド戦です。相手も本気で向かってきます。本当の真剣勝負です。