足柄の歴史再発見クラブ新体制

2015-09-27 14-14-50

(足柄の歴史再発見クラブ 小林秀樹 新会長)

2005年12月に発足し10年目を迎えた足柄の歴史再発見クラブの新会長が決まりました。富士フイルムOBで前開成町議会議員の小林秀樹さんです。

会の発足当初からのメンバーで『富士山と酒匂川』の執筆者のお一人です。郷土史の専門家ではなく勉強しながら郷土史の知識を蓄えてこられました。

専門家でなくても勉強し合って足元の歴史を学び直し、史実の持つ意味を再発見して行こうというクラブの趣旨をそっくりそのまま体現された方ですので会長にぴったりです。

小林さんがこの時期会長に就かれる意義がもう一つあります。小林さんは酒匂川ネットワーク会議の会長でもあり酒匂川の保全活動に努めてこられたからです。

足柄の歴史再発見クラブは、『富士山と酒匂川』を刊行した原点にもう一度立ち戻って酒匂川の治水を考えようとして新たな研究テーマを絞り込んでいるところです。

酒匂川の治水を考えることは流域全体を観る視野を持たなければなりません。小林さんは流域全体を視野に入れてネットワークを創る活動をされてきました。

早速、小林新会長から勉強会の提案がありました。武田信玄の信玄堤がある山梨県南アルプス市に調査研究に出かける計画が発表されました。

10月16日の金曜日、開成町のマイクロバスを使って信玄堤を始め武田信玄の治水をみっちり勉強する予定が組まれています。私も申し込みました。

武田信玄が行った数々の治水技術が酒匂川に伝播したことは間違いないと思います。二重堤防のかすみ堤が典型例です。他にも水流を弱める治水技術がたくさんあります。

現地を観て酒匂川への応用がどのようになされたかを考察することは大切です。酒匂川独特の工夫も見つかるかもしれません。興味津々です。

事前の勉強会まで用意されています。現地調査の前の週の10月7日の水曜日に開成町役場で実施することになっています。事前に資料を読み込んで調査に行けます。

興味の有られる方は小林会長に直接メールでお問い合わせ下さい。アドレスは、hid_kob@live.jpです。参加費は昼食代も含めて2500円です。

今月初めの水害で国管理の一級河川の鬼怒川の堤防が決壊しました。治水の在り方の根本が問われています。歴史に学ぶ視点を取り入れる必要があると思います。

このタイミングで甲府盆地に注ぎ込む急流河川の治水と格闘した武田信玄の治水を学ぶことは現代の治水の在り方を考えるヒントを見つけることにつながります。

水の勢いを巧みに使いながら水流を弱め水を御して行く手法、水害を完全に防ぎきることはできないという前提に立って二重堤防の「かすみ堤」を築く手法、参考になるはずです。

小林新会長、「足柄の歴史再発見クラブ」の活性化にもつながる素晴らしい提案をされたと感心しています。これからも持ち前の行動力を活かして活躍を期待します。

郷土の歴史、治水の歴史に関心のある方、「足柄の歴史再発見クラブ」の参加されませんか。足元の歴史を様々な角度から探り、一緒により良い地域づくりに取り組みませんか。