爆買いから国際文化観光へ
中国では今月1日から7日までが建国記念日の大型連休に当たるということで大勢の訪日客が訪れ旺盛な消費意欲が話題になっています。
「爆買い」という言葉は今年の流行語大賞の候補になることは間違いないと思います。デパートや大型家電店などは中国人相手で大童だと思います。
先週火曜日の28日箱根町役場に出かける所用がありました。平日でしたが箱根湯本行きの箱根登山電車まずまずの賑わいでした。中国人の観光客です。
箱根は大涌谷の火山活動の活発化でこの夏観光客が激減しました。場所によっては半分以下と言われています。中国人観光客が窮状を救う頼みの綱だと思います。
中国経済の先行きは不透明感が漂っています。株価の下落がその不安感を反映しています。中国当局はなりふり構わず株価を支え不安感を拭い去ろうとしてます。
購買力のすさまじさを国家主席自ら万天下に示すパフォーマンスもありました。習金平主席が先月の訪米で航空機を300機購入すると発表しました。
世界の最強の覇権国との自負があるアメリカにとっては、経済力を背景にのしてきた中国に大きな顔をされるのは面白くないのですがけた外れの大盤振る舞いは魅力的です。
日本とアメリカの事情は似ています。日本も中国に良い印象を持っていないけれども爆買いは人口減少で市場規模が伸び悩む日本経済にとって不可欠です。
中国経済が一気に落ち込んだ場合の衝撃は国際経済面での火山の大爆発みたいなものです。日本にとってもアメリカにとってもとてつもない衝撃です。
中国経済が安定的な成長軌道に乗ることが望ましいことは言うまでもありません。現状は危なっかしく見えます。あらゆる側面から安定化への方策を打つ必要があります。
安全保障面での対立が不安定を助長することは言うまでもありません。中国経済の大混乱のリスクの大きさを考えれば慎重な対応が望まれます。
国家でなくて担うことが出来る任務があります。激増する中国人観光客に日本の素晴らしさを良く観てもらうことです。爆買いだけで終わらせてはなりません。
日本の文化の背景の一つに大陸から取り入れた中国文化があることは言うまでもありません。日本の中の中国文化は中国人観光客にとって興味深いはずです。
(禹王遺跡の前での子供相撲 大分県臼杵市)
私はそうした日本の中の中国文化の典型のひとつが治水神禹王の遺跡とその遺跡を守る日本の風習だと思います。日本の禹王文化を知り日本を理解して欲しいです。
日本に禹王の遺跡が存在すること自体に驚かれるはずです。禹王は中国の伝説の聖王です。なぜ日本に伝わり祀られているのか興味津々だと思います。
禹王の本家本元の中国の風習と日本の禹王を祀る風習とは共通性もある一方で大きな違いもあります。日本には中国のような巨大な禹王像は存在しません。
禹王を祀り神社で奉納の相撲をとる風習は中国ではありません。中国人が知れば関心を引くはずです。互いの文化を知ることこそが本当の観光です。
文化の理解は外交関係の礎です。爆買いだけの関係では金銭だけの浅い関係に終わります。爆買いをきっかけに国際文化観光へとつなげることが求められます。