神奈川大学で後期の講義始まってます。

先月24日から神奈川大学の後期講義が始まりました。火曜日が政策過程論で木曜日が地域政治論です。講義はそれぞれ15回、試験で締めくくりとなります。

今日は、政策過程論の日です。前期は、開成町の町づくりを検証しながら少子高齢化・人口減少社会に対応するためにはどうすれば良いのか語りました。

 

後期は、町づくりの三大要素である首長と議会と住民を真正面から取り上げて講義を進めます。私は町長体験を経て教壇に立っていますので実体験に基づいて話します。

首長にとって必要なのは情熱、判断力、責任感の三つだと思います。情熱がなければ人が動きません。続いて冷静な判断力です。行け行けだけではまずいです。

最後は責任です。今責任感がひどく希薄になっています。何が起こっても責任をとる人がいません。首長の場合の責任の処し方は結果責任だという点も大切です。

首長の職務を遂行するのが難しい時期です。少子高齢化で人口が減り財政も厳しいということになりますとどこから手を打って良いのか判らなくなります。

結果的にあっちもこっちも少しずつ手を出し効果が現れず批判を浴びがちです。このような首長の苦境を救う役目を果たすのは議会です。

議会はチェック機能だと言われます。しかし議決権を持っているのが議会です。強い権限を持っているのです。その権限を活かして逆提案する時代です。

首長が決断出来ず迷っている課題が増えてます。議会側から首長の背中を押す必要があります。議会からの提案を受けて決断することで首長の負担感は和らぎます。

議会側からも選択肢を提示することで首長と議会双方が責任を分け合う形となります。首長と議会の二元代表制の地方政治の本来のあり方だと思います。

最終決断は首長ですが首長と議会がより良い選択に向けて歩み寄ることは望ましいことです。行政のチェックだけの役割から脱皮が必要です。

地方政治の場合は首長も議員も選ぶのは住民です。住民の役割が本当は一番大切です。選挙権が18歳からとなります。余計住民の役割が注目されます。

住民が持っている権限を鮮明に行使できるのは住民投票です。原発、基地、その他のいわゆる迷惑施設の反対など抵抗の手段として使われるのが一般的です。

住民投票は住民が地域の政治を決めて行くという主権者意識を持つことにつながり強力でかつ実践的な政治教育の手段だということが出来ると思います。

しかし問題があります。反対をして自分たちの要求は全うできたとしてもその後の町づくりはどうするのかという課題が残らざるを得ません。

それは行政や議会が考えることだというのでは無責任だという考え方も当然出てきます。住民自らの町づくりを提案し実践して行く動きにつながります。

民主党の鳩山政権の時代に「新しい公共」という考え方が提示されました。住民の自発的な町づくりを政府を挙げて支援していく発想でした。

鳩山政権が残した数少ない成果だと思います。自民党への政権交代で尻すぼみとなってしまっています。光を当て直す必要があると思います。

学生たちに身近な地域の町づくりに興味を持ってもらいたいです。若者がどんどん町づくりに飛び込んでいくことで活力が生まれます。情熱を込めて喚起します。