沖縄の地域政治の未来を占う。

昨日は神奈川大学の地域政治論で沖縄について講義をしました。在日アメリカ軍基地は日本であって日本でないエリアです。一番集中しているのが沖縄です。

沖縄の場合は自ら望んで基地の誘致を図ったのではなく「銃剣とブルドーザー」と称されるようにアメリカ軍によってとちを接収された過酷な歴史もあります。

もっと歴史をさかのぼれば本当に日本ではなくて琉球王国でした。1979年の明治政府による廃藩置県によって琉球王国は独立国家の地位を失いました。

翁長知事はオール沖縄と呼ばれる自民党の一部から共産党まで幅広く勢力を結集し広範な支持母体を背景に昨年11月の知事選挙で圧勝しました。

オール沖縄体制は堅固です。昨年12月の衆議院選挙の4小選挙区で全て勝利を収めました。自民党への風が全国的に吹いている中での完勝は驚異的です。

この選挙の強さは翁長知事にとっての最大の武器です。来年の参議院選挙や各地区の地方選挙でオール沖縄候補が勝利を積み重ねれば沖縄はオール沖縄の島となります。

共産党が全国レベルで安保法案廃案の連合政権を樹立しようと働きかけていますがこれまでの共産党の振る舞いを考えればそう簡単に信頼関係を創れません。

しかし沖縄のように普天間基地の長尾市辺野古への移設反対のような具体で明確な目標があれば話は別です。共産党は全国レベルより先に沖縄で信頼を得ることです。

沖縄から事実上の連合政権が始まり全国へと波及して行く可能性はあります。ただし沖縄のような具体的で明確な争点があることが絶対条件です。

翁長知事の強みはもう一つあります。人権を前面に出して世界にとりわけアメリカに向けて発信を強化しているところです。私はジワリと広がると見ます。

日米安保の必要性は認めるがそのつけをなぜ沖縄が犠牲にならなければならないのか、これは差別であり人権問題だという問いかけは普遍性があります。

沖縄問題は基地問題に留まらず差別であり人権問題だとの主張は人権に敏感なアメリカ世論に響いて行くと思います。このすそ野は決して侮れません。

国際的な共感の輪が広がるなかで沖縄のアメリカ軍基地をめぐる過酷な歴史を発信すれば沖縄問題への関心が飛躍的に高まると思います。

更に加えて美しい自然の海を破壊するのかという環境問題への関心も沖縄だけに留まる問題ではありません。環境問題からも沖縄への支援は拡大します。

安倍政権が強硬な措置をとればとるほど沖縄の反発は強まりより沖縄の現状の発信力は逆に高まります。その現状がアメリカをはじめ世界に伝われば関心が更に高まります。

尾長知事のオール沖縄体制はまさにピンチはチャンスの最前線に位置してます。普天間基地の移設問題から端を発して沖縄の自己決定権にまで論議が展開するはずです。

もっと沖縄に自治をという流れが強まる中で普天間基地の移設問題が論議されるようになると民族自決の議論へと発展していく可能性が出てきます。

スコットランドのように世界の注目が集まる可能性があります。そこまで行くと活路が見えてきます。沖縄のうねりがアメリカ政府を動かす可能性が出てきます。