開成町役場若手職員を叱咤激励
昨日開成町役場で若手職員向けの研修があり講師を務めました。2011年3月に町長を辞めて4年半が過ぎました。顔が判らない職員が随分増えました。
今月28日横浜のワークピア横浜で「人口減少社会と自治体」をテーマに講演会とパネルディスカッションが開かれます。主催は関東学院大学です。
(詳しくはこちら→http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/main/events/2015091701.html)
中心となって活動されているのは法学部の出石稔教授です。元横須賀市役所の職員で私も良く存じ上げてます。出石さんから声がかかりました。
人口減少時代の中で人口が増えている開成町の町づくりは他の自治体にとって参考になる点があると思うのでパナルディスカッションの前に報告して欲しいとのことでした。
お役にたてるのならばと引き受けました。開成町役場の企画担当職員に協力してもらい開成町の歴史を踏まえた町づくり戦略を画像にしました。
本番の報告の予行演習も兼ねて開成町役場の若手職員に語りました。「住民が主役」という言葉を行政の逃げ口上にするのは禁物です。
この言葉と「お金がない。」の二つが口癖となると行政は停滞します。大都市は行政にとって代わるぐらいの専門知識を身につけた市民が大勢います。
地方の田舎町はそんな人はそうはいません。行政職員がプロにならなければなりません。注意を払わなくてはならないのは行政が上から目線で強引に押し付けることです。
積極的に打って出て住民に選択肢を示すのは間違っていません。泥まみれになって働く職員に姿は住民に強いインパクトを与えます。住民のやる気を喚起します。
小さな町はその様な職員が何人も出てようやく町作りが活気づきます。行政が打って出なくてはならないと繰り返し語りました。職員は面食らったかもしれません。
開成町は無から有の町です。中世、戦国時代は酒匂川の氾濫原でした。江戸時代になって治水工事が行われ流路が定まって水田耕作が安定的にできるようになりました。
1707年の富士山の噴火とその後の洪水で壊滅的打撃を受けましたが立ち直り今日を迎えています。瀬戸屋敷の再生は一連の歴史と関係があります。
町が一番苦しい時代を知っている建物だから復活を目指しました。瀬戸屋敷の再生の物語も若い職員は知っていないでしょうから熱く語りました。
開成町の人口が伸びているからといって漫然としていたら停滞をすると警告しました。発想を転換し新たな視点を持つ必要があると言いました。
人口が伸び続けるという幻想の脱却が一番です。江戸時代に学ぶ視点を持って欲しいと伝えました。流域単位で連携を深めることがまず最初です。
酒蔵のような地場産業の復活も大切です。省資源化自然エネルギーの活用もです。同時に最先端企業と連携して新たな産業を起こさなくてはなりません。
江戸の手法と最先端との融合がイノベーションを産みます。開成町は若い職員にとってわくわくするようなテーマが数多あります。自信を持って挑戦して欲しいです。