日本大学、奮闘中。

大学関係書にとっては耳にタコの言葉に「2018年問題」があります。2018年を境に18歳人口が減少し始め2031年ごろに100万人を割るとされてます。

高校3年生の人口が減るのですからうかうかしてられません。大学進学率はほぼ50パーセント台で伸び悩んでいますので入学者の増加は期待できません。

果たして日本の大学は生き残ることが出来るのか関係者の間で危機感が高まっています。特に私立大学は入学者減は経営に直結しますので尚更です。

24日日本大学で来年4月に新設する危機管理学部とスポーツ科学部の開設に向けての話し合いがありました。取り巻く環境の厳しさについて講演がありました。

私自身が大学生だった1980年前後とは様相は全く異なります。推薦入学がどこも多くなり半分に迫っています。受験勉強を経ていないことと同義です。

受験勉強の良し悪しはあるにせよ一時期集中的に勉強したという体験はそれなりに学力を身に付けさせます。していないということは学生の学力水準に課題が残ります。

グローバル化の波も押し寄せています。大学のランキングが世界で何番目かが注目される時代となりました。イギリスの教育専門雑誌の最新のランキング発表されました。

東京大学が43位、23位から大きく順位を落としたことが話題になりました。北京大学に抜かれました。アジアのトップはシンガポール国立大学で26位です。

京都大学が88位でトップ100は日本からは2大学だけです。毎年日本人がノーベル賞を受賞し、学術界はわき立っていますが日本の高等教育への評価とは一致してません。

大学への入学者が減り、入学者の質もままならず、トップランクの大学の世界での評価も今一つとなると真っ暗闇みたいな感じになってします。

こうしたピンチになれば一方で何とかしなければという動きも顕著になります。日本大学の新設学部の開設もその一つです。積極策で立ち向かうということです。

危機管理学部、日本初の学部です。このアイデアは素晴らしいです。相当の知恵者がいると思いました。。テロから災害まで頻発の時代で対応は待ったなしです。

リスクもクライシスも日本語では危機という言葉が当てられます。実際は厳密に区別する必要があります。前者は危険性、後者は文字通りの危機です。

危機管理学部では、リスク、クライシス共に学び警察官、自衛官、国会公務員、地方公務員、企業のセキュリティー担当の実務者を養成しようとしています。

就職に有利というのが売りだと思います。最初の卒業生が出るのが2020年3月です。東京オリンピックの年です。危機管理が叫ばれ絶好のタイミングです。

更に日本大学では、東京オリンピックに向けてもう一つ新学部を創設します。スポーツ科学部です。こちらもタイミングはばっちりです。

スポーツで名を上げるのは大学の名前を発信するのに効果的であることは言うまでもありません。それがオリンピック選手誕生となれば絶大な効果です。

オリンピックまで残された時間がありません。オリンピック級の才能豊かな高校生がどれだけ集まるかが焦点です。こちらは今既に戦いが始まっています。