関東学院大学シンポジウム「人口減少社会と自治体」3
(川崎市ホームページより)
先月28日の関東学院大学主催のシンポジウムで初めて川崎市の福田紀彦市長の話を伺いました。私より年が一回り下です。48歳、若くはつらつ感があります。
言葉が走るタイプとお見受けしました。高校からアメリカに留学しそのままかの地の大学を卒業したキャリアも影響していると思います。
シンポジウムで政府が推進してきたプレミアム付きの商品券の販売といった地域振興策に本音ではやりたくないと後ろ向きな見解を述べてました。
舌鋒鋭く決意を込めて断言するのではなくさらりとかわしながら本音をのぞかせていました。このあたりが福田市長の特徴なのかと思いました。
おとといの首都圏九都県市の首脳会議で神奈川県の黒岩知事が推進する「未病」対策について「名前が浸透していないのでは…」と述べたという記事が載ってました。
福田氏長らしいと直感しました。さらりと本音を述べて潜り抜けようとしたのだと思います。流してくれるかどうかは相手次第です。黒岩知事は違ったようです。
朝日新聞によれば真正面から受け止めて反論したという記事になってました。この種のやり取りは尾をひきます。黒岩知事は根に持つと思います。
トップの発言は冗談では済まされない場合が多いです。しかも川崎市の様な巨大政令都市の長の発言となれば尚更です。発言する時は軽口ではなく覚悟が必要です。
軽口といえども長の発言は重いです。軽口のつもりで反発を招いてもばかばかしいです。市長に就任して2年が経過したばかりです。十二分に修正は可能です。
シンポジウムに先立つ私の報告を福田市長に是非聞いてもらいたいと思っていました。川崎市と足柄地域とのつながりについて話したからです。
残念ながら福田市長はシンポジウムの直前に会場に来られましたので私の話を耳にする時間はありませんでした。極めて残念に思いました。
300年前の富士山の噴火後の酒匂川の大洪水の後の治水工事を手掛けたのは川崎宿の名主だった田中丘隅でした。現在は酒匂川の水は川崎に送られています。
福田市長のシンポジウムの発言や川崎市のホームページでのご自身の市政に対する見解を拝見したところでは水源地域とのつながりについての言及はありません。
人口が150万人に迫る勢いの川崎市も水がなければ生活できませんし産業も成り立ちません。躍進する川崎市を支える背景に目を向ける視野を持って欲しいです。
神奈川の西の端を流れる酒匂川の水の供給を受けて川崎市の成長が支えられています。この事実を深く認識すれば神奈川全体のために川崎市は行動する発想を持ちます。
川崎市の成長の果実を神奈川全体で分かち合う発想も生まれてきます。川崎市長が神奈川全体の躍進をリードする存在となることにつながります。
私は若い福田市長の成長に期待を寄せます。足元の川崎市の躍進の背景に目を注ぎオール神奈川の視点を持つ大市長へと羽ばたいて欲しいと思います。