神奈川県西部地域の市町村合併合併論議は正々堂々と。

開成町の隣接市、南足柄市で合併問題が俄かに持ち上がっています。タウン紙のリポート記事によれば南足柄市が市政懇談会の中で検討方針を示したということです。

総務省は、人口の大都市への流出を食い止め地方の経済活力を維持させるための地方創生の方策として「連携中枢都市圏構想」を打ち出しています。

日本全国各地域の中核的な都市を中心にして新たな都市圏域を設定し圏域内での連携強化で経済活性化や医療・福祉基盤の充実を図ろうというものです。

平成の大合併が一段落した後、人口5万人の都市を中心とする「定住自立県構想」が提唱されました。今度の提案はこの考え方を更に拡大したものです。

首都圏など三大都市圏はこの構想の対象外です。しかし、東京や横浜といった大都市に通勤通学している割合が少なければ指定を受けることが可能です。

小田原市を中心とする神奈川県西部地域は対象になる可能性があります。ただし中核都市となるには人口が20万人以上という条件があります。

小田原市の人口は減少を続け現在19万4千人です。第二の都市の南足柄市は4万3千人でこちらも減少傾向です。両市が一緒になれば中核市となれます。

南足柄市としては中核市となって新たな広域連携の枠組みの中心となるため合併も視野に入れて年内にも検討会を立ち上げたいということです。

加藤修平市長は合併慎重派でしたので方針転換です。4月の市長選挙では争点になってません。水面下で小田原市との事務的検討を進めていたと見ます。

神奈川県西部地域全体に大きな影響を及ぼす方針転換ですので堂々と真正面から問題提起して欲しいです。市内だけでなく関係する自治体にも説明が必要です。

「連携中枢都市圏」の正体は今一つ不明です。国からの財政支援もセットで提唱されてます。ただ、お金が付くからと安易に飛び乗るのは間違いです。

地域の活性化を考え自立と持続をどう実現していくかは国の政策や財政支援があるから考える問題ではなくそれぞれの地域が主体的に考える問題です。

市町村合併論議のチャンス到来と主体的に受け止めて徹底議論を期待します。連携中枢都市を目指して合併するか否か明快な議論が求められます。

市町村合併論議と同時進行で新たな連携の枠組みの設定を是非ともすべきです。県境を越えて御殿場市と小山市を含んだ酒匂川流域全体を視野に入れるべきです。

足柄上郡と下群の8町と会わせると3市9町の合併・広域行政論議となります。合併して参加する自治体と合併はしないものの広域圏に参加する自治体に分かれます。

開成町は合併して連携中枢都市の一翼を担うことも可能ですし合併には参加せずに連携都市として広域行政の枠組みに加わる判断も可能です。

慌てて結論を出さずに小田原市と南足柄市の合併論議の行方を注視しながら熟考し町民の意見も踏まえて最終判断することになると思います。

神奈川県西部地域の広域自治のあり方の大転換論議が大いに盛んになることを期待します。南足柄市の加藤市長は逃げずに正々堂々と議論を起こして欲しいです。