箱根町議員の皆さん、真剣勝負ですよ。
神奈川大学の政策過程論で地方議会のあり方について講義をしてます。地方自治体は、少子高齢化、人口減少、財政難、運営が難しくなる一方です。
首長だけで政策判断するのは困難です。財源が乏しいので取捨選択を迫られるからです。議会からの対案も踏まえて合意形成して行くことが必要です。
地方議会は急速に能力アップを図らなくてはなりません。賛否を示して後は全て行政任せでは済みません。王敏の責任を果たすべきです。逆提案しなくてはなりません。
首長の方も議会に対し積極的に情報公開し議論の前提を整えることが求められます。オープンな議論を通じて納得の上で結論が出るようにする必要があります。
開成町では議会基本条例で予算や決算に関する説明資料、議員からの一般質問に対する答弁骨子の提出が義務付けられてます。先駆的な取り組みだと思います。
情報がなければ中身のある議論が出来ません。情報を出すと質問されて厄介だという行政職員の意識を変えることが大切で、首長の指導力が不可欠です。
世界の箱根が財政難に陥ってます。年度あたり9億円の財源不足だとして臨時議会に固定資産税の増税条例を提案しました。反対が相次いだと報じられてます。
箱根は、ゴールデンウィーク以降大涌谷の火山活動の活発化に伴う入山規制で観光客の激減に見舞われました。一時期はレベル3になりました。
現在はレベル2に引き下げられたとはいえ勢いは完全に戻っていないということです。このタイミングでの増税提案ですので反発が出るのは覚悟されていたでしょう。
山口箱根町長はボーナスを70パーセントカットを表明した上で議会に臨んだ訳ですが観光業者らの反発は強く議会も認めることが出来ないということだと思います。
議会は特別委員会で今後増税案を審議するということで行政だけでなく議会も重い責任を負うことになります。なぜ財政難かを再確認し打開策をまとめる必要があります。
箱根町は財政力指数と言って町の財源の豊かさを示す指標が1.5です。神奈川県内で飛び抜けて高い数字です。なのに財政が厳しい理由が一般には判りにくいです。
湯本、仙石原、宮城野、元箱根などいくつもの村落が集まって箱根町を形成し町政運営の効率は悪いです。公共施設が余分に必要ですし人件費もかさみます。
企業の保養所や溢れる観光客が非効率を補っていましたが厳しくなりました。構造的問題が生じていた訳です。そこに火山活動の活発化が追い打ちをかけた訳です。
部分的な人件費カットで町民に増税を求めるのは困難です。最低限、町長ら三役、議員全員がボーナスを投げ出す姿勢を示さないと納得されないのではないでしょうか。
その上で町当局と議会が真剣勝負で財政再建策を議論しまとめて行く作業が必要です。当面ぎりぎりの財政運営でしのいで始めて増税が視野に入ります。
その間に観光振興に本気で取り組み増税に耐えられる経済状況を作り出して行くことが同時進行で大切です。世界の箱根がピンチをどうしぐか熱い視線が注がれます。