公明党はどこに向かおうとしているのか。
公明党にとって最大かつ最強の支持母体である創価学会。私は、機関紙の聖教新聞の愛読者です。信者の方から勧められお付き合いで読み始めました。優れた記事がたくさん載っているのに驚きました。
3・11や原発に関する様々な評論記事、環境問題や文化に関する事柄の評論。一読の価値ある内容の記事が多いです。本日付の「アジアの中の日本これからの映画作り」も読みごたえあります。
聖教新聞を舞台に展開される評論と政治の現場で活動している公明党の行動との間に大きな食い違いが生じています。典型的なのが原発です。聖教新聞は明確に脱原発の方針を打ち出す評論が掲載されています。
一方、公明党は、脱原発から転換し原発再稼働に動いている安倍政権の対応に本気で異議を唱えているとは到底思えません。もっと大きな食い違いは、安全保障問題や中国への対応です。
創価学会は、仏教を基盤としていますので平和を志向し共生の思想を打ち出しています。しかし、公明党は、憲法9条を改正する方向を強めている安倍政権と連立政権を組んだままです。本気で待ったをかけていません。
池田大作名誉会長は、1972年の日中国交正常化の立役者の一人で中国では今なお別格の扱いだということです。この太いパイプを活かして日中の和解へと敢然と挑戦しているようには見えません。
北朝鮮の動きがきな臭くなっています。今こそ公明党が、北朝鮮に対して大きな影響力を持つ中国に真正面からぶち当たって北朝鮮の冒険主義的な動きに自制を求めることもできるはずです。
このままでは公明党は、安倍政権の補完組織に過ぎない存在になります。公明党は立党の原点を踏まえて安倍政権のタカ派的な動きをけん制すべきです。そうしなければ創価学会の支持を失うことになると思えてなりません。