出前授業で教育の町づくり
足柄の歴史再発見クラブの小学生たちへの出前授業のお手伝いをしました。メンバーである元小学校の先生の大井みちさんが中心になって毎年行ってます。
7日の月曜日酒匂川の祖師堂堤防に開成南小学校の4年生の児童、担任の先生、それに我々100人が集合しました。半日かけて酒匂川の治水の様子を見て回ります。
前の週に大井さんらが「私たちのくらしと酒匂川」というタイトルの画像を使って4年生たちに事前学習を行いました。画像と実際を見比べることが出来ます。
良くまとまってます。かすみ堤と呼ばれる二重堤防の役割が詳しく紹介されてます。1938年の大きな水害で九十間堤防と呼ばれるかすみ堤が決壊したことを伝えてます。
水害は過去の歴史ではなく近年も発生していることも紹介されました。2010年9月にはかすみ堤の間の水田や畑が満水になる大水が発生したことも伝えました。
見学学習会では三班に分かれて見て回りました。私は「酒匂川ふれあい館」と名前がつけられた水防倉庫兼酒匂川を紹介した展示室の担当でした。
展示室には酒匂川の歴史や水害の写真が展示されてます。水槽には酒匂川で生息している魚たちが飼育されてます。窓からは、かすみ堤が一望できます。
火の見櫓で使った半鐘や手動のサイレンも展示されていて実際に触れますので展示室内はたちまち大騒ぎです。賑やかな子供たちの声を聞くと元気になります。
2010年の水害の時にかすみ堤の間の畑や水田に徐々に水が入ってきて徐々に水が引いて行ったために刈り取り前の稲が倒れなかったことを紹介しました。
実際に農業をされている方から伺った話です。かすみ堤の機能の素晴らしさが実感として理解できる話です。担任の先生も驚いていました。
出前需要は準備する足柄の歴史再発見クラブのメンバーにとっても学習する機会です。児童や先生にとってはもちろんです。双方が学び合えます。
授業の質も上がることは間違いありません。教師が良く知らない内容を判りやすく伝えるメンバーがいるのですから児童も理解しやすいはずです。
外部の人材を活かして出前授業を充実させる取り組みを全面展開すべきではないでしょうか。水害に関する郷土史の学習だけに限りません。
開成町では最先端企業の富士フイルムの先進研究所を誘致しました。夏休みに出前講座をしていただいてます。もっと定期的に数を増やして欲しいです。
小中学生にとって最先端の科学に触れることは興味津々のはずです。一般の大人も同様です。化粧品とフイルム技術がなぜ結び付くのか大人の女性だって聞いてみたいはずです。
企業にとっても地域貢献であるだけでなく研究者にとって刺激になるはずです。子供の質問は鋭いです。判り易く伝える技術を学ぶ機会になります。
学校の外の人材がどんどん学校教育の現場に関わり学校はどんどん外に飛び出し実際の現場で体験学習を展開する、これこそ教育の町づくりと言えるのではないでしょうか。
将来を担う子供たちのためにもなり関わる大人たちは子供たちから元気をもらいそして自らも学ぶ機会となります。開成町らしい教育の町づくりに取り組んで欲しいです。