小田原市と南足柄市の合併論議の本格化

神奈川県西部地域の中心市である小田原市と第二の市である南足柄市との合併論議が本格することが確実です。両市長が来月早々にも公表するという観測が流れています。

県西地域の中心市の小田原市は人口が減少が進み、富士フイルムの企業城下町として豊かな税収を誇った南足柄市は企業の構造改革の影響で財政難に苦しんでます。

総務省が提唱する地方の中心市の立て直し戦略である「連携中枢都市圏」構想に乗って中心市としての機能を合併という手段で取り戻すのが今回の合併戦略です。

私は神奈川県西部地域の広域行政は抜本的な転換期に来ていると思います。特に富士山の噴火対応を強化するためには酒匂川の流域市町の連携強化が不可欠です。

小田原市と南足柄市の合併論議を通じて県境を越えた酒匂川の源流地域の静岡県御殿場市と小山町までを含んだ流域連携へと発展させることが重要だと思います。

このため小田原、南足柄両市が合併し中心市としての役割を強化しようという方向は望ましいと評価します。両市長が市民に問題提起し論議を興すことに賛成です。

小田原市は加藤憲一市長、南足柄市は加藤修平市長で両市のトップが加藤市長です。小田原の加藤市長は今年5月に三期目の選挙を控えています。

南足柄市の加藤市長は昨年4月にニ期目の当選を果たしました。このタイミングでの合併論議の問題提起が両市長の支持基盤にどのような影響を及ぼすかに対する注意も必要です。

小田原市の加藤市長は現況は対抗馬がなく市長選挙は圧倒的に有利です。合併論議を問題提起することは明らかに追い風となり三選の流れは一層強まると思います。

南足柄市の加藤市長は当面は選挙はありません。トップが論議を興していけるタイミングです。両市長を取り巻く政治的な環境は整っています。

合併論議に異論が出るとすれば南足柄市の方です。人口が四分の一に足りず小田原市に吸収合併されるという印象を与えます。財政難を乗り切るという理由も後ろ向きです。

南足柄市の加藤市長がどこまで不退転の決意を市民に示すことができるのか、また、市民の納得の得れる将来構想を語れるかにかにかかっています。

一方私の地元の開成町を含めて周辺の足柄上郡、下郡の8町も対岸の火事としてただ見守っているという訳には行きません。広域行政に大きな影響を与えるからです。

特に南足柄市と共同歩調を取ってきた足柄上郡5町は注意が必要です。足柄地域の中心市の南足柄市が無くなる可能性があるからです。大きな転換点となります。

しかし、ここで留意しなければならないのは慌てふためいてこの際合併論議に跳び込もうという短兵急な姿勢は百害あって一理無ということです。

理由は、まず小田原市と南足柄市は2年間にわたって水面下で事務的な協議を続けてきたといわれます。小さな町は論議から外されてきたという経緯があります。

どのような経緯を辿り合併の問題提起と至ったのかという中身は全く不明です。事情が判らないのに慌てて仲間に入ったところで都合良く利用される危険性があります。

今回の合併論議はあくまでも中心市の機能強化の方策として割り切り小田原市と南足柄市の合併論議の行くへを重大な関心を持ちつつも冷静に対処することが大切だと思います。

直接の影響を受ける足柄上郡5町は互いに良く意思疎通をして5町として今回の両市の合併論議にどう対応するか落ち着いて論議することが求められます。慌ててはなりません。