沖縄、宜野湾市長選挙
沖縄県宜野湾市長選挙は、6000票近い差で現職候補が勝利しました。僅差の勝負だと思っていましたので予想を超える大差に感じました。
政権与党ががっちりとタッグを組んで取り組んだ選挙だけに権力を持っている側の凄みを見せつけました。理念や理想でこの壁は打ち破れません。
安倍政権はこれまで公明党の主張を丸のみする形で自民、公明の連携強化を図って来ました。軽減税率の最終決着が典型的な事例です。選挙のためだと思います。
今回の宜野湾市長選挙に影響を及ぼしたのは確実です。公明党が揺らいでいては勝利にはつながらないと睨んで安倍政権は勝負を賭けたと思います。
宜野湾市長選挙で政権与党が推す現職が敗れたとしたらアメリカの意向を背景に普天間基地の辺野古への移設を推進してきた積み重ねが崩壊しかねません。
アメリカは民主主義を標榜する国です。徹底した民意の抵抗は影響を与えるはずです。アメリカから政策遂行に疑念を持たれることは政権の基盤を揺るがします。
何が何でも勝つという決断が6000票の大差につながったと思います。権力者たちの執念としたたかさは半端なではないとのい思いを持ちました。
一方保守の一部と共産党を含む野党勢力が連合戦線を張ることで広範な支持を得ようという『オール沖縄」体制にとっては今回の敗戦は大きな打撃です。
翁長県知事を誕生させた「オール沖縄体制」は選挙で勝ち続け不敗の神話を創りカリスマ性を確立することでようやく強大な権力に立ち向かえます。
今回の選挙は、ニ期目を目指す現職に挑む構図でしたので厳しい選挙は覚悟の上で「オール沖縄体制」ならば乗り越えられると判断したと思います。
そして普天間基地を抱え一日も早く負担を軽減したい宜野湾市民が沖縄県内への移設に対しノーの判断を下したのならばとてつもない影響を与えます。
辺野古への移設に対し沖縄県民こぞって反対していると言い切って良い状況を生じさせます。移設反対派の勢いは一気に増大することは間違いありません。
結果は違いました。私は「オール沖縄体制」の柱の一つは共産党ですので保守と共産党が組むことに対する違和感が選挙体制に影響を与えたのではないかと思います。
宜野湾市長選挙は安倍政権の執念としたたかさを示した選挙であると同時に野党勢力が本質的に抱える課題を明るみに出した選挙だと言えます。
安倍政権にとって公明党が選挙の要であることが示されました。この連携が揺らぐ事態は困る訳です。甘利大臣のスキャンダルが当面のアキレス腱です。
野党側は共産党とどう間合いを取れば良いのかという課題が浮き彫りになりました。この難問を乗り越えない限り野党の結集は望めません。
この夏の参議院選挙、衆参同日選挙含みで推移すると私は見ます。安倍政権側は有利と見れば断行します。その鍵を握るのは公明党の動向です。
野党勢力にとっては共産党との共闘をどういった形で示すか具体の姿かたちが確立できなければ勝利は見えません。遅くとも連休前までに決着を図る課題です。