学生に学ぶ町づくり1

神奈川大学の地域政治論では後期、沖縄、北海道、福島、大阪の地域政治をテーマに抗議しました。試験ではそれぞれの地域の未来展望を論じてもらいました。

後期試験を受けた204人のうち、67人が沖縄、北海道と福島が46人、大阪が45人でした。沖縄への関心が高いという印象を持ちました。

15回の講義のうち5回を沖縄に充てたことも影響しているとは思いますが三分の一が沖縄を選んだということには注目して良いと思いました。

答案を見たところ沖縄が本土とは全く異なる過酷な歴史を持っていることが印象にに凝り論文試験の対象地域に選んだのではないかと推測します。

かつては独立した王国で貿易で栄え、17世紀からは薩摩藩の支配下に置かれ明治になってから日本国の一部になり太平洋戦争では日本で唯一地上戦が行われました。

民間人94000人を含む20万人が犠牲になったとされるせい惨さです。敗戦後はアメリカ軍の占領下におかれ1972年本土復帰した後も基地の島です。

過酷な歴史が底流にあっての在日アメリカ軍基地への抵抗や普天間基地の辺野古への移設への反対運動の根強さがあることは学生も理解してます。

一方で在日アメリカ軍基地があることによる経済的な収入や交付金、基地が日本の安全保障に果たしている役割もあります。冷静に見ている答案が目立ちました。

沖縄の自治を高めることについては共感を持っている学生が多くいました。しかし、どのような沖縄の未来を描くか、ビジョンの共有がないと指摘していました。

尖閣諸島の領有問題や昨今の北朝鮮の動向もあるのでしょうが中国と北朝鮮を脅威と見て安全保障上の基地の役割を重視する立場から論じている答案も目に付きました。

北海道は、財政が破たんした夕張市に集中して講義しましたので夕張の辿っている道のりから北海道の未来をどのように切り拓けるか論じてもらいました。

石炭でその名を轟かせた地域なので最先端技術を使って炭鉱に眠っている資源を再活用することに活路を見い出しエネルギー都市で再起の提案がありました。

国内最大手の漢方薬メーカーのツムラが薬草の栽培地に夕張を選んだことを活用して新産業都市を目指し雇用の場もあること知ってもらう必要があるの答案もありました。

特産品の夕張メロンの輸出を盛んにすべきだという意見や中国のかつての石炭産地の撫順市と友好都市であることを活かし国際観光を展開すべきという意見もありました。

東京都職員から転じた34歳の鈴木道直市長が手取り20万円余りの報酬で奮闘していることから鈴木市長そのものをもっと売り出したらどうかと論じている学生もいました。

鈴木市長が抱えている途方もない困難と乗り越えようとする気概は全国の首長のお手本であり、特に神奈川県のように恵まれた地域の首長には是非知ってもらいたいです。

自分たちがいかに豊かな地域で首長を務めているかをしれば日々の業務をおろそかにすることは出来ません。背筋がピンと伸び努力するはずです。

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