小田原・足柄を主題にした学生の卒論に学ぶ会

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昨日、開成町民センターで「小田原・足柄を主題にした学生の卒論に学ぶ会」が開催されました。用意した50部の資料は全てさばけました。内容も充実してました。

今年で8回目になります。開催方法が新たになりました。実行委員会形式で取り組みました。開成町の元ソキアの技術者井上三男さんが会長です。

かつてこの会で発表を行ったメンバーや指導した方々が実行委員です。その母体に大学の教官が顧問の形で加わり今回の発表会を取り仕切りました。

これに郷土の治水の歴史を学んでいる「足柄の歴史再発見クラブ」、それと開成町に研究開発拠点を置いている富士フイルムが応援する体制です。

開成町と開成町教育委員会、小田原市と南足柄市の教育委員会も協賛してくれました。若手が加わった実行委員会を大学、地域の住民、企業、行政が支援する形が出来ました。

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東京農業大学の学生が小田原城の景観と石垣の調査に関する発表を行いました。参加された小田原市民の方からこの成果を行政に伝えて欲しいと要望が出されました。

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三次元のレーザースキャナーという最先端の機器で計測した三次元データの活用方法の発表です。自由自在に画像処理が出来るのと精密であることが売りです。

樹木を仮に伐採したらどのような景観になるのかが一目瞭然です。詳細な石垣カルテが出来上がれば定期的な診断が可能となります。景観保全や管理に役立ちます。

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東京電機大学の学生は酒匂川の上流にある三保ダムが万が一決壊したとしたらどのような被害をもたらすかを地形図を根拠にシミュレーションしました。

ダム横の洪水時に水を吐き出す部分が決壊した場合とダムの堤本体が決壊した場合の二つのケースを想定し被害を画像で示しました。衝撃的でした。

二つのケースともに満水時の想定ですが酒匂川が足柄平野へと流れ込む入口にあたる大口付近で土手が決壊し足柄平野の西半分、酒匂川の右岸地域はほぼ水浸しになります。

最悪のケースの場合は酒匂川の河口に近くでは4メートル以上の水深になる部分が見られました。洪水に襲われた地域は壊滅的打撃を受けることは間違いありません。

到達速度も速いです。土手の決壊地域まで33分から41分と想定が出ました。避難の経路を練っておかないと間に合いません。大切な問題提起でした。

民間企業の専門技術者からの話題提供もありました。三次元レーザー計測の威力を大涌谷の噴火時の計測を題材にして解説してもらいました。理解が進んだと思います。

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富士フイルムの化粧品開発のリーダーの方に現状を講演していただきました。女性です。富士フイルムのテレビコマーシャルにも登場されている方です。

最先端の化学メーカーの新分野の挑戦を支えているのはきちんとした根拠を目に見えるような形で示して行くという研究開発指針にあることも理解できました。

参加されていた富士フイルムの出身の方から次は頭髪を生やす薬の開発を期待するとの意見が飛び出しました。出身の会社を信じましょうと横から口を挟みました。

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発表会の終了後、簡単な懇親パーティーもありました。井上会長の奥様の手作り料理でした。参加者一同大満足でした。来年につなげる活力をいただきました。