子どもの貧困を考える。

先週の土曜日13日、内閣府の講堂で「子供の貧国対策フォーラムin東京」が開かれました。満席でした。自治体関係者やNPO、ボランティアの方々でした。

政府としての説明の後、立教大学教授で子供の貧困対策を調査研究されている湯澤直美さんより日本の子供の貧困の現状について解説がありました。

先進国の中で最悪の水準にあることを強調されてました。2008年の経済協力開発機構OECD のデータで日本の貧困率は14.2パーセントでした。

OECDの平均が12.6パーセントです。34カ国で日本より悪いのは、イスラエル、メキシコ、トルコ、チリ、アメリカ、スペイン、ポルトガルです。

貧困というとアフリカの難民の飢餓のイメージがあって理解しにくい面があります。飲まず食わずの状態に追い込まれた貧困は、絶対的貧困と言われます。

先進国で問題となるのは相対的な貧困です。普通の生活をすることが出来ない状態にあることをいいます。世帯単位の手取り所得の中央値に達しない割合と定義されてます。

自宅に帰ってきて本棚を探したら国立社会保障人口問題研究所研究員の阿部彩さんの『子どもの貧困―日本の不公平を考える』という岩波新書が出てきました。

2008年11月に出版されたばかりの時に購入していました。リーマンショック後起こり世界経済が大きく揺らぎ格差が問題になっていた頃です。

日本で貧困があることがピンときませんでした。その証拠にせっかく阿部さんの著書を購入していながらほとんど読み込んでいないまま本棚に入っていました。

日本全体が私と同じような感覚だったと思います。安倍さんの著書が出てから7年以上経過していても日本の対策は後手に回り続けたままでした。

政府も3年前からようやく本腰を入れ出し昨年「子供の未来応援国民運動」を起こし官民一体で取り組むことになりました。基金も創設されることとなりました。

フォーラムでは東京豊島区で子供の貧困をサポートしているNPOの方、東京足立区の行政の責任者の方、それと支援しているライオンズクラブの女性の方が登壇しました。

それぞれ実際に活動されている方たちですのでどの方の話も具体的で実感のこもった内容でした。大変に聴き応えがありました。時間があっという間に過ぎました。

貧困ですと家族一緒に食事をする機会が激減します。母親だけの家庭では特にそうです。働かなくては生活を維持できません。子供は孤食となります。

asayake

(豊島子どもWAKUWAKUネットワークホームページより)

家族の団らんを食事を通して提供しようという東京の活動事例が紹介されていました。「子ども食堂」と呼ばれNHKの朝の人気番組「あさイチ」でも放送されました。

パネルディスカッションの後質疑応答に入りました。神奈川県相模原市と平塚市の担当職員が相次いで手を挙げました。神奈川県でも取り組みが進み出していると思いました。

フォーラムに参加して痛感したのはデータをきちんと取ることでした。比較的豊かな地域なので貧困は無いだろうという思い込みは禁物だと思いました。