三世代同居促進のための減税を考える。

息子家族が実家に移り同居してから1年になりました。よちよちしていた孫も二歳となり目が離せません。うれしい悲鳴といったところです。

子どもの力は相当なものです。大人だけの家族に幼児が加わると雰囲気が一変します。可愛い盛りの黄色い声が周囲を和ませま元気の源になります。

93歳の母も健在です。骨折して近くの介護施設に入所しました。リハビリしたら杖と手押し車で歩けるように回復しました。ひ孫の姿も力になったのは間違いありません。

三世代が一緒だと子守が常にそばに居る訳ですので両親は子育ての負担がぐっと減ります。特にお母さんは子育てのストレス解消につながります。

祖父母の支援に加えてお母さんは町の子育て支援のお遊びの時間をいつも利用させてもらってます。開成駅前にも支援センターが出来るのを楽しみにしています。

子育て支援策の充実が子どもを増やしていくためにいかに大切な施策であるかということを実感してます。開成町は現在の政策の方向を推進して欲しいです。

我が家で三世代の同居が可能になったのは息子が近くに転勤することが出来たからです。主たる家計の担い手に働く場がなければ同居したくても出来ません。

引っ越しが出来なければ共稼ぎとなって孫は早い時期から保育園に預けられることになります。近くに保育園があれば良いですが探すのは簡単ではありません。

なぜ共稼ぎとなるかというと女性もばりばり働く時代であるということもありますがそれに加えて高い家賃を筆頭に生活費が嵩むという状況もあります。

こうした事情は大都市部では当たり前です。子どもをもう一人と思っても家計や保育園といった生活環境が許しません。結果として少子化を改善できないことになります。

安倍政権は、「一億総活躍社会の実現」の掛け声の元、三世代の同居政策を推進しようとしています。同居のための住宅の改修と絡めた所得税減税制度が来月から始まります。

私の実例で紹介したように三世代が同居が可能となるためには働く場など高いハードルがあります。多少の減税で同居を望むようになるかというそもそもの疑問もあります。

三世代の同居や祖父母が近くに住んでいる家庭の割合が多く地元に働く場が確保されているといった生活条件が優れていることは子どもたちの学力と関係があると言われてます。

福井、石川、富山の北陸三県の子どもの学力の高さは生活の安定にあると言われます。しかし全国各地が北陸三県のような環境ではありません。

三世代同居推進減税を実施しても、北陸三県のように環境が整った地域や三世代の同居が可能な限られた人のための政策に陥る危険があります。

この種の社会政策は科学的調査によって実態をきちんと把握した上で効果がどの程度かを見極めて実施するべき筋合いのもので主義主張で展開されるものではありません。

子育て支援環境の充実は全国各地域それぞれの事情は大きく異なります。全国画一の制度設計は逆に不公平感を増すことにつながりかねません。再検討が必要です。