民進党の未来は、野党共闘を求める市民の声に応えられるかで決まる。

昨日、民主党と維新の党が合流しました。名称は民進党となりました。国民が主役を意味し結党以来の「民主」の二文字は消えてしまいました。

「民主」の二文字は世論調査で否定されました。「民主」とは、国民の意見を尊重する政治ですので世論を無視できません。あっけない幕切れでした。

2009年夏の衆議院選挙での大勝利を受けて政権を奪取した時の国民の期待は極めて大きかったです。それから3年4ヶ月後の2012年暮れの選挙では大敗北を喫しました。

期待と失望は連動します。裏切られたとの思いは国民の間で根強く残っていました。「民主党」という党名に対する嫌悪感は想像以上でした。

民進党という名称で時間がかからず決着したのは、国民の間に根強い民主党アレルギーを払しょくし選挙の勝利に結び付けたいという狙いがあると思います。

報道によると自由、共生、未来への責任を結党の理念としたということです。ここでも民主ではなく自由が前面に出ました。民主は嫌われ者です。

岡田代表は引き続き党の顔となりました。政策の責任者に若手の女性を抜擢し選挙向けの布陣を敷きました。タレント性のある人材を充てるといういつものやり方です。

新味はありませんがどの政党も同じような手法を使いますので止む得ないと言えます。抜擢された女性が看板倒れにならないようどう支えるかが課題です。

衆参同日選挙の可能性が強まっている次の国政選挙で民進党が勝利できるかどうかのカギを握っているのは民進党ではなく共産党です。共産党との協力の度合いが焦点です。

共産党の志位委員長は共産党だけの党勢の拡大のための候補者擁立を避ける方針を打ち出しています。大転換です。相当の政治決断だと言えます。

この共産党の方針転換と民進党はどう向き合うのかで国政選挙の行方が決まります。全く協力しないということはあり得ませんが協力度合いが緩やかか強固かで違いは出ます。

参議院の一人区や衆議院の小選挙区で共産党が候補者を出さないにしても共産党支持者が積極的に他の野党候補者の支持の拡大に動くかどうかは大きいです。

もし全面的な選挙協力が実現して積極的に共産党支持者が動くことになれば巨大与党にとっても侮れない対抗勢力となります。伯仲状況になる可能性もあります。

民進党の代表代行に就任した維新の党の江田元代表がどう出るかが注目されます。共産党と距離を取ろうとすると元々党内や支持労組内にある共産党アレルギーを増幅させます。

民進党の現状は共産党との協力強化に直ちに動けそうな状況ではありません。逆方向に動く可能性もあります。野党共闘が遠のけば与党は一気に攻めてくるでしょう。

巨大与党に待ったをかける可能性か現実味を帯びるかどうかは各選挙区での野党共闘を求める動きがどこまで拡大するかにかかってきました。

野党共闘を求める勝手連的な動きは強まっています。国民が主役の「民主」的な動きです。この動きに応えられるかが民進党の未来を握っていると思います。