「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」発足へ

富士山赤色立体地図

(富士山火口 赤色立体地図 アジア航測 千葉達朗氏 作成)

富士山噴火が発生したら降砂による甚大な被害が予想されます。砂地獄です。昨年の夏から対応を考える勉強会を行い12月6日に会の準備会を立ち上げました。

今月24日に呼びかけ人会議を開き4月23日に会の発会式を行うことを決めました。会の名称は「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」としました。

会長は地元スーパーのヤオマサの名誉会長の田嶋享さんに就いていただきました。田嶋さんは小田原市内を流れる山王川の治水の強化を訴える活動をされてます。

酒匂川に「流域」を加えました。流域全体で考える問題であることを重視しました。また防災ではなく減災としました。噴火は止められなくても被害は小さくできます。

発会式の場所は二宮尊徳先生の生誕の地に建つ尊徳記念館の視聴覚室です。二宮尊徳先生も酒匂川の治水に関して関係の深い方ですので場所もぴったりです。

午後1時半より開会しお二人に講演してもらい意見交換を行います。最初の講演者は「足柄の歴史再発見クラブ」会長の小林秀樹さんにお願いしました。

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会の発足の土台となったのは、「足柄の歴史再発見クラブ」の活動、とりわけ小学生向けの副読本『富士山と酒匂川』の刊行でした。勉強しながら知識を身に付けました。

小林さんは酒匂川流域で河川の保全を考える「酒匂川流域ネットワーク会議」の活動もされています。流域単位で治水を考える大切さを話してもらえればと思います。

もうお一人の講演者は静岡県小山町の前危機監理官の新井昇さんです。元自衛官で気象レーダー解析の専門家です。小山町の防災体制の強化を担ってこられました。

昨日、会のメンバー三人で事前打ち合わせに小山町防災課に伺いました。現在は防災対策指導員として後継者の育成に当たっていられます。

新井さんといえば2010年9月8日の台風9号に伴う記録的な集中豪雨の際に雲の動きをいち早く予測されて小山町に避難勧告を出し人的被害を防ぎました。

山林は土砂崩れが頻発し家屋や橋脚が流される被害が出ました。新井さんのレーダー解析がなかったら犠牲者が出たと思われます。大変な功績です。

ただ残念だったのは新井さんの事前解析の情報が流域全体で共有されなかったことです。この集中豪雨後、県境を越えた情報交換の必要性が認識されました。

小山町は富士山噴火対策も進んでいます。ハザードマップを各自治会ごとに判り易く解説する資料を作成し住民への周知徹底を図っています。

しかし大量に降り注ぐ噴火の砂をどう処理するかといった根本対策は取れていないということでした。酒匂川流域で対策が一番進んでいる小山町でも対応はこれからです。

新井さんの現場体験に基づいた講演は有益であることは間違いありません。防災担当行政職員や自主防災会の方々、企業関係者や議員各位に是非とも聞いて欲しいと思います。

講演会は申し込み制です。会の事務局の田中栄治さん、電話090-1653-8681、メールeiji0612ta@jcom.zaq.ne.jpまでお願い致します。資料代500円です。