小田原市の加藤憲一市長への期待と注文

小田原市の加藤憲一市長が8日三選を果たしました。無投票でした。59年ぶりということです。加藤市長、ホッとするとともに責任の重さを感じていると思います。

8年前のデビューは鮮烈でした。前市長の後継で主要党派が支持した候補を圧倒しました。掲げたスローガンは、チェインジ、変革でした。

加藤市政の8年間で何が変わったかと言われれば、市民の提案力と実践力が明らかに高まったと思います。加藤市長誕生による変化だと思います。

自然エネルギーの活用や耕作放棄地の再生、新たな特産品づくり、3・11への支援などの分野で市民による多彩な活動が展開されています。

先月24日に小田原で開催された市民の協同をテーマにしたシンポジウムでその一端が紹介されていました。若い有能な人材が育ってきているのは頼もしい限りです。

一方市民運動出身の市長の弱点も現れました。組織を動かす技はいささかもの足りません。自治体の規模の大小にかかわらず役人を御さない限り思いきった行政はできません。

役人の皆さんは絶対に責任を取りたがりません。首長が責任を負う姿勢が明確であれば優秀な役人が躍動し始めます。逆の場合は前例を超えて行政を展開しません。

それと首長には力も必要です。首長には人事権がありますので自らの考えで思いきった人事を断行することが最大の力の源泉となります。

市民派の市長は皆さんの意見をよく聞きます。皆さんの意見を聞いてということは自らの責任があいまいになりがちです。また自らの意見は背後に隠れます。

市民派市長の悪い面が集中的に表れているのが市民会館の建設を巡る迷走のように見えて仕方ありません。本来は現在の場所に建設しないのが最初の公約でした。

あっという間に公約を撤回しその後は議論の時間が長く決着が着きません。8年経ってまだ緒についていないということは異常事態といって良いです。

三期目の加藤市長にとってこの市民会館建設問題の決断が最初のハードルとなります。これ以上の結論の先延ばしは許されるものではありません。

あと三つ大きな課題が控えています。一つは熊本地震を受けて大規模災害対策にどう立ち向かうか再点検が急務です。富士山の噴火にも備えることが求められます。

続いて余りに急激な人口減少への対応です。5月3日のお城祭りに24万人の観光客が集まる極めて便利な町でなぜこれほどまでに人口が減るのか七不思議です。

有力企業の撤退が人口減に拍車をかけることは確実です。緊急事態といって良い状況に明確なビジョンを打ち出せなければ行政は無いのと一緒です。

最後の一つは南足柄市との合併問題です。自ら問題提起しました。当然のことながら責任は市長にあります。三つとも市民派市長の苦手分野です。しかし立ち向かう責務があります。