地方から国政の変革を迫れる時代の到来。

安倍総理が、消費税の税率引き上げを再び延期しました。理由は、釈然としません。参議院選挙で是非が戦わされます。7月10日の結果を待ちます。

気がかりなのは、「一億総活躍社会の実現」の掛け声は逆に大きくなることです。子育て支援や福祉の充実は選挙向けに持って来いだからです。

「一億総活躍」のスローガンの前には「国土強靭化」の名の下に大型の公共事業の提唱がありました。そして安倍政権の看板の防衛力の増強もあります。

財源のめどはありません。財政出動して経済成長をさせ景気を良くすれば何とかなるという目論見なのでしょう。誰が考えても甘過ぎます。

こんなことをしていればいつかは国家財政が破たんしてしまいます。こうした事態を避けるため最強の手段として採用されたのが戦争であったのが過去の歴史です。

野党勢力は、現状の政治を根本から変えて新たなる道を示すことが出来てません。過半の国民は安倍政権の方がましだと思ってしまいます。反対だけでは信頼されません。

過去と同じ道を歩んではならないと思っても全体状況はじわじわといつか来た道を歩んでいると思えてなりません。止めることはそう簡単ではありません。

政治にはもう一つ別の担い手がいます。地方自治体です。国政を担う政府と国会がだらしないならば地方自治体の側から何とか出来ないかを考える必要があります。

国と地方は対等の立場に立つと法律に明記されてます。現在の全体状況に地方自治体はただ漫然と政府の動きにひかれ者のように着き従っていれば良いはずがありません。

地方自治体の代表が総理を始め政府と協議する「国と地方の協議の場」というきちんとした制度があります。政府の動きにはっきりと懸念を示すべきです。

まずは、消費税の増税延期によって財源の穴が生じることへの対応を明確にすることを迫ることが不可欠です。実際に施策を展開するのは地方自治体だからです。

あいまいさは許されません。もし政府側が明確な回答を示すことが出来ないのならば政策展開を拒否する姿勢で臨まなくては迫力が出ません。

こうした態度を取る以上、地方自治体の側も意識改革が不可欠です。国が何とかしてくれるだろうという甘えは、きっぱり捨てるべきです。

地方創生の掛け声に踊らされてはいないか、本当に地域に必要な事業を計画しているのか根本に立ち返って再検討する時期がやってきました。

政府の動きが財政破たんへの道であり戦争への道で野党も頼りにならないとしたら残る砦は地方自治体です。地方から国政全体を見渡し声を上げるしかありません。

政府の政策は手詰まりです。野党は各党間の壁、とりわけ共産党との壁を乗り越え連合することは不可能でしょう。国政は混迷せざるを得ません。

ここで地方自治体も国政の混乱を傍観してしまったらおしまいです。日本のために地方の側からはっきり意見を述べ提言する姿勢が求められます。

1970年代から地方の時代と言われてきました。しかし実態は違いました。政府の政策が行き詰まりを見せた今が地方の側の反転のチャンスです。