小田原城天守閣の木造化プロジェクトの新展開に期待する。
11日の土曜日、地域の特産品や人気スポットを紹介するテレビ東京の人気番組「アド街ック天国」で小田原が取り上げられていた。
第1位にランクされたのは小田原城でした。耐震改修工事が終了し5月からはリニューアルオープンされています。天守閣の白が際立っています。
ただし、天守閣はコンクリート製で本来の姿ではありません。この天守閣を木造化しようと2013年有志がNPOが立ち上がりました。
「みんなでお城をつくる会」です。小田原かまぼこのトップブランドの鈴廣の社長が代表となり老舗の企業経営者から一般市民まで多様な皆さんが参加してます。
しかし会の運動は、現在アヒルの水かき状態に見えます。根本原因は、明らかです。行政の取り組む姿勢が定まらないからです。中途半端に見えます。
小田原を代表するブランドであるお城をどのような姿にするかは小田原市にとって決定的な重要課題です。市として本格的に取り組みかどうかの意思表示が先です。
実現を目指すという決断があって、実現するためにはどのようなハードルを越えなければならないかという知恵が出てきます。やるかやらないかあいまいはあり得ません。
実現には時間がかかります。10年、30年、50年。最終的な姿によって異なります。しかし何としてでも実現するという強い意思と政策の一貫性が大前提です。
5日に行われたNPOの総会の議論ではお城のリニューアルが済んでしまい今更木造化と言ったところで市民の共感が得られない恐れがあるとの懸念が出されました。
もっともな意見だと思いました。しかしピンチはチャンスという言葉はこの場合にも当てはまります。お城の木造化は何を目指すのかをはっきりさせる機会です。
小田原の町づくりとして捉え直す必要があります。お城の天守閣の木造化をきっかけに小田原の街並みの再生に動き出す象徴とすべきではないでしょうか。
いつの時代の小田原の姿を再現するのかが大切となります。一番望ましいのは関東の覇者としてその名を轟かせた北条時代の姿へと近づけることです。
壮大なプロジェクトとなりますので少なくとも50年かけた長期の構想が必要です。その上で10年ごとの目標を明確に定めて着実に前進すれば実現します。
北条時代を再現すると言ってもお城の位置をかつてあった山に移動させ建て直すのは困難です。現在の位置で現存する模型に沿って改修するのが現実的です。
お城の姿としては江戸時代に戻すということです。小田原城は藩のシンボルでした。周辺各市町とももっと連携を深めて取り組む必要があります。
小田原のかつての栄光のシンボルを造り変え街並みも再現するという目的が明快になり周囲の市町も一緒に歩もうということになれば運動は活況を呈すに違いありません。
そのためには小田原市長が本気に成って欲しいです。10月から始まる南足柄市との合併協議においてお城の復元を長期構想として提起すべきだと思います。
神奈川県西部地域全体に大きな影響を与える構想です。新たな観光資源の創造につながり地域全体の統合の象徴となります。挑戦する価値は十分です。