アベノミクス存続の危機と参議院選挙の行方。
昨日、小田原市内でTBSのサンデーモーニングでコメンテーターを務めている毎日新聞特別編集委員の岸井成格さんの講演会がありました。
脱原発を目指す中小企業経営者の団体と森づくりを進めているNPOの共催でした。総合司会は私が小田原きってのばか者と15日のブログで紹介した小山田大和さんです。
岸井さんの講演テーマは、「岐路に立つ地球、時代に逆行する日本、私たちの責任」でした。地球環境が危ういという話で、講演の内容は全く平凡でした。
岸井さんは、あくまでも著名なコメンテーターでありジャーナリストで地球環境分野での実践経験が乏しいからです。具体の話はほとんどありませんでした。
予定時間を10分余らせて講演は終了しました。質疑に移ってからは地球環境ではなく現在の政治状況の話に移りました。ここでも腰が引けてました。
東京都知事選の候補者選びなどで具体に話に入るとオフレコにして下さいと依頼されました。政府からの報道への圧力に身をさらした体験が懲りているようでした。
中身は大した話でもないのに異常に神経質でした。TBSの夜のニュース番組での安保法制をめぐる発言で叩かれたことが相当のトラウマになっていると思いました。
岸井さんの講演で唯一私が持ち帰ったのは「アベノミクスは厳しい。」という見方でした。私もまったく同感です。国際情勢の激変がアベノミクスを直撃してます。
イギリスのEUからの離脱決定で円高が急速に進み日本の株価は下落しました。この傾向が続くとアベノミクスのシナリオの大前提が崩れます。
異次元の金融緩和で円安にすることで輸出企業の業績を上げ株高に導き経済の好循環を図るというのが基本です。真逆になるのですからきついです。
円高になると輸出が苦しくなるだけでなく、日本の円の方の価値が上がり自国の通貨が下がる訳ですので海外からの観光客の足が遠のきます。
安倍政権になって年金の運用を株式市場につぎ込む額が大きくなっていますので株価が下がることは年金運用に損失を与えることは言うまでもありません。
消費税の増税延期程度で済まなくなるような経済状況に落ち込む危険性もあります。抜本的な内需振興策を打ち込まないとならない状況も想定されます。
安倍総理としてはアベノミクスのシナリオが崩壊する事態になりそうなので私に政権を任せてくれという論理矛盾の主張をせざるを得ないかもしれません。
野党の足並みがきちんと揃って政権の受け皿が出来ていれば参議院選挙で票が野党側に流れる可能性は高いです。しかし現状は違いますのでどうなるのか不透明です。
安倍政権の方が力強いので危機の時代だから安倍政権の方へという心理が働くことは大いにあり得ます。野党がアベノミクスの危機をきっちり突けるかです。
更に国際情勢の動きは激しさを増しそうです。何が起こるか判りません。多角的な視点が必要な時代になり、もはや日米同盟一本やりで行けると考えるのは余りに単純です。
アベノミクスが危機に瀕すだけでなく、安倍外交が袋小路に入りかねない状況です。参議院選挙での有権者の判断が日本の進路にとって極めて重要になってきました。