現実味を帯びてきた憲法改正。

参議院選挙は、中盤戦、自民党が堅調だとメディアの世論調査が伝えてます。自民党だけで単独過半数の57議席以上を獲得しそうな情勢です。

公明党を含めて与党とおおさか維新などの憲法改正に賛成する勢力を合わせると憲法改正の発議に必要な三分の二の議席を占める可能性も十分ありそうです。

 

イギリスが国民投票でEU離脱を決めたことにより世界経済が揺れてます。この不透明感は政権与党に有利に作用すると見るのが常識です。

野党側が政権構想を持っている訳でもありませんし、国民の間には民主党政権の無様さが頭に刻み込まれていますので危機の時に野党に政権を渡す選択はあり得ません。

安倍政治の危険性を感じ取って野党の勢力がん伸びることを期待していた有権者も野党に一票を投じることに慎重になり出したと見ます。

こうした情勢の中で野党の中で唯一勢いの良かった共産党の幹部からとんでもない発言が飛び出しました。「防衛予算は人を殺すための予算」は言い過ぎです。

「自衛隊は人殺しか」と短絡した批判を招きます。熊本を始め、自衛隊の災害救援活動の恩恵を受けた地域では特に反発が出るのは当然だと思います。

自民党はここぞとばかり叩きまくります。判り易い話ですし共産党の本音が垣間見えたような感じの発言です。選挙の論戦の大きな火種となります。

まだ当選一期目の若い共産党内エリートを政策委員長に抜擢した訳ですが経験不足は否めません。発した言葉は元に戻りません。大打撃です。

民進党党内には共産党にわだかまりを感じている勢力が多いです。共産党とは一緒にやれないという空気感が強まりそうです。一喝する大物もいません。

現在の日本国憲法を堅持することが現在の不安定な国際情勢を生き抜くためには絶対に必要という考えの者にとっては、やきもきするような状況となりました。

安倍政権の日米同盟強化一辺倒は危ういです。EU発の混乱だけではありません。トランプ大統領の登場となったらアメリカの本音に振り回されます。

その結果、日本と中国の対立が激しくなったりしたら厄介極まりないことになります。軍事衝突もあり得る事態に陥ってしまったら悲劇です。

こうした状況を避けるためには現在の日本国憲法の平和主義が不可欠です。憲法を盾にして日本が振り回されるのを防止することが最善の策だと思います。

国際情勢の激動をしのぎつつ国内経済に相当の刺激を与えないと日本経済が厳しくなることは目に見えています。内政に力の限りを注ぐのが王道だと思います。

現下の国債情勢で憲法をいじくり回すのは危険極まりないことです。安倍政権がそうした欲望に駆られないようにするためには改憲反対の勢力で三分の一以上を占めるしかありません。

たとえ一議席でも三分の一を上回れば良しとするような選挙情勢です。今度の選挙で三分の一を取ることが出来なければ雪崩を打って行きそうな予感がします。

極めて重大な選択を迫られる選挙となりました。ミソをつけた共産党の皆さんは特に死に物狂いとなって改憲阻止のために奮闘する責務があります。