信州・上田と小田原・足柄地域のまちづくり2

25日、上田市の別所温泉から東御市役所に向かいました。「とおみ」と読みます。私も読めませんでした。2004年に東部町と北御牧村が合併してできた市です。

長野県東部地域の中核都市上田市から車で70分、軽井沢には50分ほどです。上信越自動車道の東部湯の丸インターチェンジもありほどほど便利な環境にあります。

上田市が周辺の町村を吸収合併し、中核都市としての機能の強化を図るのに合わせて東部町と北御牧村も1町1村での合併をして将来に活路を見い出そうとしました。

長野県東部地域では神奈川県西部地域より一足先に地域内での市町村再編が進行したということです。新たに誕生した東御市の現状を知ることは参考になります。

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東御市の企画担当者から現状と課題を伺いました。合併しても人口減少の流れは止められずにいることに頭を痛めていました。3万2千人が3万5百人となりました。

手を拱いている訳ではありません。手を打っています。新幹線、高速道路は揃っています。「ほどよく田舎」をキャッチフレーズに定住を働きかけてます。

移住して間もない方に定住アドバイザーに就任してもらって相談窓口を設けています。子育て環境や教育環境も充実していることをアピールしてます。

総務省が全国各地で展開している「地域おこし協力隊」を東御市でも募集しています。都市部の方々を非常勤で7人雇用し定住へとつなげることを目指してます。

ふるさと納税の謝礼品として名産品のぶどう、巨峰で売り込みを図ってます。ワインの生産については8市町村で「千曲川ワインバレー」と名付け国より特区の認定を受けてます。

地域の企業などと連携しワインを中心とした地域産業を興すことで雇用の機会を増やす取り組みをスタートさせ、こちらも国のモデル事業地域として採択されてます。

人口減少の流れを食い止めようとあの手この手で知恵を絞っている姿が伺えます。しかし現状では決め手が見つからないというのが実情だと思いました。

24日、25日と駆け足で上田市と東御市を回りました。小田原・足柄地域と地域事情が似通っている点が多々ありました。参考になりました。

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上田市は、小田原市とそっくりです。城下町です。歴史と文化の地域資源は豊富です。しかも、合併して菅平高原などの豊かな自然も手に入れました。

こうした恵まれ過ぎた環境が逆に災いしている可能性があります。現状でもほどほどいけている環境で将来を考えて危機感を持つのは難しいことです。

NHK大河ドラマの放映中にしてはその宣伝も今一つに感じました。大河ドラマをきっかけに観光客を迎えようという熱い熱意が不足しているように感じました。

東御市は懸命に頑張っています。しかし小さな点ではなかなかパワーにはなりません。地域全体で活性化に取り組む強力な指導力がどうしても必要です。

長野県東部地域の未来を拓くためには、地域の中核市である上田市がより広域的な視点に立ち地域全体を強力に引っ張って行く姿勢が何より大切ではないかと思いました。