首長が危機意識を高めないと災害に備えられない。
8月もあと二日、最後の最後に迷走台風が東北地方に上陸することが予測されています。こういった形で東北地方を台風が直撃するのは観測史上初めてということです。
太平洋高気圧の張り出しが弱く東側に偏っているのが今年の特徴で台風の進路はその縁を進むため東北や北海道が台風の被害を受けるということです。
海水温が高いので台風の勢力が弱まらないのも特徴です。厄介です。東北地方を中心に進路に当たる地方自治体は対応に追われていることと思います。
22日に千葉県館山市に上陸した台風9号は神奈川県にも大きな被害をもたらしました。大雨の影響が深刻でした。27日付の神奈川新聞で特集を組んでいました。
神奈川県内14の河川で氾濫危険水位に達したということでした。横浜、川崎、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯、大和、海老名、厚木、伊勢原、箱根の河川です。
このような広範囲にわたる被害への対応、広域災害対応は県の役割が大きいです。当然、神奈川県知事が先頭に立って各首長と連絡を密にして対応する必要があります。
神奈川新聞では県内の首長の動向を掲載しています。22日の各首長の動向を見てあ然としました。何かの間違いではないかと思い見直したほどでした。
県知事の動向には災害関係の記載は全くありません。午前中は、知事がいま最も力を入れている医療関係の政策を担当する部局との会議でした。
最後の記載は「テレビ番組出演」(東京都港区)となっていました。本当にこのような行動をとったのだとすれば県民の生命財産を守る役職の方だとは思えません。
更に横浜市、川崎市の市長の動向に目を移しました。こちらも台風の被害を受けて対応に走り回っている姿は全く見受けられませんでした。スタッフ任せなのでしょうか。
知事と県庁所在地の市長と大都市の市長が氾濫が心配されるような事態なのに陣頭指揮をしないことがあってよいのでしょうか。ひどく疑問に思いました。
その他の市町村長の動向にも驚くべき記載がありました。台風が来ているのに平然と夏休みを取っている首長がいるのです。許されるとは思えません。
地震と違って台風は進路の予測ができます。現在は観測技術の進化で精緻な予測がなされています。なのに休暇を取るということは職務怠慢ではないでしょうか。
私の住む神奈川県西部の首長の動向を見て不思議に思ったのは小田原市長の動向です。当日、私の携帯電話に小田原市が避難勧告を出したとの情報が飛び込んできました。
NHKのニュースでも小田原市が国府津など3地区に火洪水や土砂災害の危険があると避難勧告を出したと伝えていました。しかし、市長の日程は終日「外出」となっていました。
「外出」だけでは実際何をされていたのか判りません。これは市民の安全を守る義務がある市長として説明責任が求められるのではないでしょうか。
観測史上に無いような災害が多発しています。このような時代に災害他王の最前線に立つべき首長がのんきに構えていて良いはずはありません。猛省していただきたいです。