時代が求めているのは、スーパーマリオではなくスーパーKINJIRO。

リオデジャネイロオリンピックの閉会式で安倍総理大臣が任天堂のゲームの主人公のスーパーマリオに扮したことが話題となりました。

スーパーマリオが世界で人気を呼んでいるゲームキャラクターであることからのサプライズ演出でした。私はこの世界に全く無知なのでピンときませんでした。

しかしゲームの主人公は人気者かもしれませんが現実の世界で活躍したのではありません。仮想の世界、バーチャルな世界の出来事に過ぎません。

スーパーマリオはオリンピック会場のすぐそばにある貧民街の暮らしを救ってはくれません。せいぜいゲームを楽しみ苦しい現実を忘れることぐらいの効果です。

実在した人物で現代にこそ蘇って欲しい人物を演出し現代社会が抱える困難な課題を解決すための手掛かりをえるきっかけにすることはできないでしょうか。

JAかながわ西湘のマスコットキャラクターの画像

(JAかながわ西湘キャラクター西湘きんじろう)

私は二宮尊徳こそそうした人物の代表的存在だと思います。尊徳ではいかめしい印象を与えてしまいますので少年時代の名前を取って金次郎の方が柔らかいです。

ただ単に勤勉だったのではありません。土地も農民の心も荒れ果てた状態、貧民街のようだった江戸時代末期の農村に住んで農民の暮らしを立て直したのです。

時代と国の違いはありますがリオの貧民街のような状態の農村を再興させたのです。人々の暮らしが安定すれば自ずと地域社会は良い方向に収まって行きます。

二宮尊徳のような人材が10人いたら地方創生は実現します。二宮尊徳は口先の人物ではなく実践の人ですので必ず効果が表れるからです。

「衣食足りて礼節を知る」という中国古代の政治家の言葉があります。暮らしが不安定では落ち着きません。社会不安や暴力を生む温床となります。

二宮尊徳の凄いのはこの冷徹な事実をしっかりと見据え農民の暮らしを安定させるためあれこれと試行錯誤をした上で実践したことにあります。

二宮尊徳を世界に通用する人物として描き直し演劇や映画として上演して欲しいです。動きがリアルで実感が伝わるという点では演劇が望ましいです。

日本を代表する演劇集団のわらび座が二宮尊徳の演劇を企画していると聞き及んでいます。どのような内容になるのか今から楽しみです。

世界に発信して欲しいですので「金次郎」ではなく「KINJIRO」が相応しいです。スーパーマリオに負けないように頭に「スーパー」を付けた方が良いかもしれません。

「スーパーKINJIRO」となって是非一度訪問してもらいたい国があります。北朝鮮です。民衆の暮らしは豊かではありません。現在水害に苦しんでいると伝えられます。

しかし国家の指導者は核兵器の開発に夢中です。「スーパーKINJIRO」ならば核兵器の開発に要する資金を農村の復興に充てるに違いありません。

まともに提言して聞く耳を持つような指導者ではありませんので演劇を通じてメッセージを発信できたら多少なりとも効果があるのではないかと思いますが…。

話がそれました。現代は、格差と貧困が最大の課題です。平和の元を崩すからです。そこに立ち向かう「スーパーKINJIRO」の登場が待ち遠しいです。