宮城県登米市訪問その後
9月16日から18日まで宮城県登米市のまちづくり市民グループに招かれ、宮城県を訪問しました。その時の意見交換会の様子が地元紙の河北新報に掲載されました。
市民グループ主催の意見交換会は17日開催で記事は4日付ですので二週間遅れです。この間に登米市をめぐって大きな変化がありました。
東京都の小池知事がオリンピック施設の検証結果を受けてボート競技の会場を宮城県登米市に移すことを提案したからです。地元では大騒ぎだと思います。
私がちょうど登米市を訪問していた頃、既に東京都の小池知事と宮城県の村井知事との間でやり取りがあったとの報道もありました。事態は着々と進行していました。
私は登米市を訪問し市内にある様々な地域資源の豊富さに目を見張りました。人口減少が大きな課題になっている市の姿には到底思えませんでした。
河北新報の記事の中で古民家を再生してまちの活性化につなげた開成町の事例が紹介されています。登米市にははるかに立派な古い街並みゾーンがあります。
江戸時代は伊達藩の城下町で明治になってからも一時期県庁が置かれた地域です。神奈川県でいえば小田原市に似通った地域環境です。
歴史遺産をもっと活用する様々な手立てがあるはずだと思いました。人口を増やすためには交流人口を増やして見てもらうということがきっかけとなります。
そこに降って湧いたように巻き起こってきたのが登米市でのオリンピック開催です。私は、これは百年に一度のチャンス到来だと思いました。
東京都の提案は余りに急で実務的に会場移転が可能かどうかの検証は必要ですが、宮城県や登米市として挑戦してみる価値はあり過ぎるほどあると思います。
黙っていても交流人口が激増するイベントです。宮城県の自然を見てもらうまたとないチャンスです。3・11からの復興の現状を世界に発信する場でもあります。
登米市長沼のボート競技会場はアジア大会も開催したことのある国内有数のボード競技会場だということです。活かさない手はありません。
東京湾沿いに強大な投資をして開催するよりはるかに安上がりです。登米市をはじめ宮城県、東北を盛り上げるきっかけにできると思います。
会場となる登米市はオリンピック開催に向けて市全体で登米市らしいおもてなしを展開する企画を市民の知恵を取り入れて打ち出して行く必要があります。
イベントをすることが目的ではなくイベントはあくまでもまちの活性化の手段です。活性化とは市民が元気になることが何より大切です。
一大イベントには道路建設などの基盤整備は不可欠です。しかし過大な投資は厳禁です。それよりも市民の活力をいかに上げるかに知恵を絞るべきです。
今回の登米市でのオリンピック開催は時間が不足しているのが逆にチャンスです。大掛かりな建設事業投資はできません。ソフト事業に投資する又とない機会です。
登米市には市民の側の受け皿は育ってきています。様々な市民グループが活動を展開していました。市民の力がいかんなく発揮されるオリンピックになる可能性十分です。