アメリカに媚びを売るしかない国に未来はあるのか。

ヒ―ローとは、強きをくじき弱きを助ける人物です。トランプ大統領の誕生にはアメリカ国民のこうした期待感があると思えてなりません。

アメリカ国民全体がこぞってではありません。明らかに反発する勢力があります。就任式にアメリカ全土で繰り広げられたデモを見れば確かにそうです。

しかし、そうした反対の声以上にヒーローの登場を待ち望んでいた国民がいるから大統領は誕生しました。この当たり前の事実をしっかり見ないといけません。

トランプ大統領は過激な発言で耳目を引き泡沫的存在から権力のトップに上り詰めました。過激な発言は目立つための戦術だったと側面があると思います。

大統領就任前のトランプ氏にモノ申そうと単身、乗り込んだ亀井静香衆議院議員は、「トランプ氏は商売人だ、アメリカに取って損か得か判り易い。」と評してました。

「必至で電話かけをしていている支持者たちの姿は、草の根選挙だった。」とも語っていました。トランプ氏という人物と登場の背景を端的に言い表しています。

損得を判断基準にする商売人がトップに上り詰めるには過激さを演じ支持の拡大を図ったのであろうし、その目論見に応える多くの国民が存在したということです。

こうあるべきだとかいう既成の概念は役に立ちません。損か得かでその都度判断する訳ですので哲学とか理念は脇に置かれると見るのが正しそうです。

ただ何に取って損か得かという基本的な基準があります。それは熱狂的に支持してくれたトランプ支持層の国民にとって損か得かであるはずです。

アメリカの雇用を守る、雇用を奪うTPPからは離脱するという結論になるのはトランプ大統領の判断としては単純明快な判断に過ぎないと思います。

相手が独特の判断基準に立って行動するとしたらこちらも自らの判断基準を確立して処して行かないと振り回されるだけ振り回されて疲れ果ててしまいます。

日本はどうやらピエロみたいな役回りを演じ始めているように見えて仕方ありません。何でそこまでアメリカに媚びを売り認めてもらおうとするのか哀れになります。

フィリピンに行って麻薬対策に1兆円の支援を約束したりオーストラリアと同盟関係を強調したりしているのも全てアメリカに対する媚びに見えます。

日本はこれまでの同盟関係を信じてます。先んじて他の同盟国にたいしても手を打ちましたので宜しくと尻尾を振っているように見えませんか。

アメリカに対する媚びの裏返しはアジア、特に中国に対する警戒感です。アメリカの中国に対する警戒感を先取りして強く出ようとしています。これも媚びの一種です。

商売人のトランプ大統領に利用されるだけに終らないことを祈るのみです。日米同盟にすがるのがいわば日本の哲学というのでは国家としての気概が感じられません。

いつになったら日本は自らの信じる道を堂々と歩む国家となれるのでしょうか。これからもアメリカにすがり振り回されるかと思うと暗たんたる気持ちになります。