真鶴町の過疎地域指定は神奈川県全体で受けとめるべき課題。
神奈川県は、全国でただ一つ過疎地域の市町村がなかった特異な県でした。しかし人口減少が進む真鶴町が指定を受ける見通しだと報じられました。
国勢調査で見ますと1995年が9606人。2015年が7333人で20年間で24パーセント減少です。2010年との比較では10パーセントと減少です。
真鶴町の面積は7.02平方キロで、開成町の6・55平方キロに次いで神奈川県で2番目に小さな満席の町です。海岸が迫り急な坂道の町でもあります。
JR東海道本線の駅があり観光地として名前は通っています。美しい景観を守るための規制を制定したまちづくり手法は全国から注目を集めました。
真鶴という町の名前はもちろんのこと一度でも訪れたことがある人なら美しい海岸の景観に魅了されることでしょう。交通の利便性もあり地域資源も豊富です。
それでも人口減は止められません。高齢化が進む町では坂道はきついのでますます人口は減少する流れにあると思います。まちづくりは正念場を迎えてます。
居住されている方々の緊急課題として地域交通と地域医療があります。買い物対策もあります。それと子どもたちの教育環境の整備です。
こうした諸課題は過疎地域の指定を受けることにより得られる補助メニューを詳細に検討ししたたかに活用すべきだと思います。使えるものは使った方が得です。
ただし真鶴町が町長を先頭に例えば空き家対策にいくら頑張っても人口対策はそう簡単ではありません。働く場がなくては若者の定住は得られません。
もっと広域で総合的に本気で考えるべき課題です。明らかに県の出番です。こうした課題解決のために県という存在はあるのだと思います。
もちろん隣接する小田原市を中心にした広域行政の仕組みはありますが地域の自治体の相互連携だけで人口減少が解決できるのならばとっくに解決しています。
県レベルで本腰を入れて人口減少問題に立ち向かうべきです。神奈川県は横浜、川崎といった大都市部の政策展開に重きが置かれています。
県西部のような周辺部への対策は薄いのが実情です。神奈川県西部は真鶴町に限らず大多数の市町が少子高齢化、人口減少に直面しています。
唯一人口増が続いている開成町にしても今年1月の最新データでは自然減が21人です。誕生する赤ちゃんより亡くなられる人の数の方が圧倒してます。
開成町は、開発が進んでいますので社会増は見込めるにしても子どもの数の増加にはブレーキがかかっているか開発地域とそれ以外のアンバランスが進んでいるはずです。
県西地域全体どこも似たりよったりと言って良いのです。県がこうした実情を深刻に受け止めて地域全体のまちづくりに強力な指導力を発揮することが求めらてます。
黒岩神奈川県知事は県西部地域を「未病の里」と位置付けて健康づくりをベースに活性化を目指しています。手ぬるいとしか言いようがありません。
急速な人口減少に対応する施策とは到底思えません。神奈川県も真鶴町の過疎地域指定を契機に県西部政策を根本から見直すべきだと思います。