首長の時代の到来、首長イメージの刷新へ。

2か月に一度、横浜駅近くにある「かながわ県民活動サポートセンター」に集まってまちづくりについて自由な意見交換を行う研究会があります。

「神奈川研究会」と名前を付けていますが神奈川県内の課題に限りません。大学の名誉教授や新進気鋭の研究者、若手の市議会議員や市民活動家ら多彩な面々が集ってます。

22日は、元横浜市の小学校長で現在は「木と建築で創造する共生社会実践研究会」の花岡崇一さんをゲストに招き、林業や森づくりの話しを伺いました。

現役時代は学校に森の広場をつくるなどの取り組みをされて、退職後は、お住まいを栃木県日光市に移し林業の再興に関する活動を続けられている筋金入りの方です。

森林再生の柱となるべき存在の森林組合が国や県からの補助金頼りになってしまっている現状を嘆いていました。補助金で暮らすことに満足してしまっているというのです。

また、民主党時代に策定された「森林・林業再生プラン」が自民党への政権交代でお蔵入りしてしまっている現状についてもせっかくのプランが無視されていると語っていました。

花岡さんが局面転換するために期待されていたのは首長でした。一定の地域を担う首長が理解を示し本気で動けば事態は変わるという認識でした。

花岡さんに静岡県小山町の積極果敢なまちづくりを展開している小山町の状況を伝えました。林業再生についても意欲的です。調査して見るということでした。

首長が持つ圧倒的な存在感を活用しまちづくりに賭けるべきです。そうした情熱がなくして何のために首長になっているかと思います。何事も情熱が基本です。

ただしやみくもに走れば良いというものではもちろんありません。内外の諸情勢を冷静に見極めて長期的な構想を打ち立てて着実に歩むことが必要です。

その際に注意しなければならないの国や県からお金を持ってくればそれだけで評価される時代は終わったということです。財源をいかに活かすかが問われます。

補助金を獲得できたと喜んでいて地域の活力の増進に役立たなかったら何の意味はありません。逆に無理な事業を背負うことになってしまい振り回される場合もあります。

花岡さんが嘆いていた森林組合の補助金便りの生き方などは補助金の存在が逆に活力喪失につながっている格好の事例です。いつまでたっても自立しません。

首長がしたたかにやるしかありません。もらえるものはもらうにしても、言葉悪いですがずる賢しこく立ち回って地域の自立へと近づけることが大切です。

住民の側もまちづくりは大半が国に方向性が決められて誰がやっても同じなのではという見方を根本から改める必要があります。首長によって全く違います。

それだけの力を首長は持っています。首長の采配によって大きな差が出ます。身近な実例でいえば静岡県小山町と神奈川県西部地域を比較すれば一目瞭然です。

首長も住民も目を覚ますべきです。時代の流れは、人口減少、少子・高齢化で厳しくなる一方です。生きるも死ぬも首長の力量にかかってきているという自覚を持つべきです。