手話は、手の芸術作品。

(手話通訳士 南瑠霞みなみるるか さん)

自分が話していることを手話で紹介し相手の話も手話で伝える場合どうすれば良いか想像してみて下さい。言葉を発することと手話という行為が同時進行します。

手話も達人の域に達すると技術と顔の表情の豊かさに見とれてしまいます。東京・世田谷区に事務所を構え手話指導している南瑠霞(るるか)さんの手話を見てそう思いました。

世田谷区役所の職員の方と福祉施設に勤める青年が立ち上げたインターネットのサイト「近隣チャンネル」http://fujifujimonmokinch.wixsite.com/kinchanの応援をしています。

昨年始めたばかりで地域の防災活動などを紹介し安全なまちづくりのお手伝いをしています。私もミニミニ防災講座というコーナーで登場しました。

世田谷区三軒茶屋に日本大学危機管理学部・スポーツ科学部が昨年4月に開校し私も研究室を持ったことから研究室を拠点に地域のまちづくりに関わるようになりました。

その取り組みの一つが「近隣チャンネル」です。小さな町の町長の経験を活かして自治会単位の防災活動の大切さを判りやすく解説しました。

耳が聞こえない人にも伝えなければいけないので手話を「近隣チャンネル」の動画の画面に付けようという話が世田谷区の職員の方から持ち上がりました。

東京・世田谷区で「手話アイランド」という名前の会社を立ち上げて手話の指導を続けている南さんとつながりが出来て実現の運びとなりました。

13日の午後南さんの事務所で収録をしました。私がミニミニ防災講座で話している内容を区切って手話でいわば通訳をし、その模様を画像に収めていきます。

終了後、私が南さんにインタビューした画像も一緒に収録しました。南さんは手話の世界では第一人者です。これまでの歩みを伺いました。

二十歳の時に耳の不自由な方々と行政との重大な話し合いの会議の手話を任されたということです。手話技術のレベルが高いと言われ得意満面の頃でした。

しかし話している内容が全く理解できず固まってしまいました。ベテランの方に急きょ交代してもらったという厳しい体験もありました。

手話の技術がいくら優れていても話の内容をよく事前に学習して理解していないと全く通訳は不可能という現実を思い知らされたと話していました。

南さんは「きいろぐみ」という手話で歌や踊りをするグループを結成しています。プロとして東京を中心に全国で公演活動を続けています。

健常者とろうあ者が一緒になってステージを盛り上げます。ステージのDVDを見せていただきました。一体感が伝わってくる迫力のステージです。

1989年に結成したということですので間もなく30年です。メンバーは30人、半数がろうあ者です。「手話パフォーマンスきいろぐみ」のホームページをご覧ください。

「きいろぐみ」の紹介の中に「手話はハンドアート」という言葉がありました。手の芸術作品だという意味です。まさにその言葉がピタリとはまると思いました。