地味でも、まちづくり、国づくりの基本は、治山、治水。

(静岡県小山町 災害復旧現場)

27日、神奈川県開成町福祉会館で上演され大盛況に終わったわらび座のミュージカル二宮金次郎で印象に残ったセリフがあります。女子高生に扮した役者のせりふでした。

「地味、地味、地味」です。二宮金次郎の印象を一言でいえば「地味」ということです。でもどんなに地味でもひたすら農村の再興に尽くす姿がかっこいいと語ってました。

「にのちゃん」と二宮金次郎のことを呼びあこがれの人だとも語ってました。でもそんな思いを抱くのはごく少数派であることもしっかりわきまえていました。

いつの日か自分のような少数派がじわりと増えて行って世の中が変わることを期待してました。無理して説得してもしょうがないので自然と伝わるのを待つと言ってました。

ミュージカルを観ていて印象に残りました。しかし、地味な話は、黙っていてはなかなか伝わりません。声は表舞台に上がりません。行動が不可欠です。

治山・治水も二宮金次郎が生涯をかけて取り組んだ疲弊した農村の再興のように地味ではありますが国家の基本に関わるとても大切な取り組みです。

地味なテーマですので脚光を浴びることがなく行政の担当者や大学の研究者、それと関心を持っている一部の住民の方々にとってのうちわの題材に終ってしまいがちです。

これではいつまで経っても治山・治水は進みません。結果的に山は荒れ、川は乱れ、集中豪雨が発生すれば大きな被害をもたらしてしまいます。

自分たちの住む地域で何とかこうした現状に待ったをかけたいと思って始めた活動が「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」です。

私は、日本大学が東京・三軒茶屋に新たに開設した危機管理学部に所属していますので日本大学のネットワークも活用して取り組もうと考えました。

当面の目標は単純明快です。酒匂川流域の全ての自治体が一緒に本気で考える場をつくることです。環境問題での交流の場はありますが防災関連ではありません。

こうした場を作るには地域のまちづくりのリーダーである首長が危機意識を持って連携をとり住民に呼び掛けて行くことが大切であることは言うまでもありません。

6月3日の午後1時より小田原市民会館の小ホールで開催する酒匂川流域の治山・治水のシンポジウムは流域の自治体が一緒に考える場づくりの第一歩です。

2010年9月の記録的集中豪雨で水源地域を中心に流域は大きな被害を受けた訳です。堆積していた300年前の富士山噴火の砂が大量に流れました。

今なお富士山宝永噴火と向き合わなければならないという現実に驚きました。更に新たな噴火でも起これば大変な事態になることは明々白々です。

少しでも被害を小さくしなければなりません。そのためには流域全体で治山・治水を考える必要があるのです。是非多くの皆様に足を運んでいただきたいです。

お申し込みは、メール fuji-sakawa-gensaikai@postman.email FAX 0465-82-0438です。  参加費・資料代が1000円となっています。