神奈川県最大の中山間地の町、山北町の可能性1
4日から5日、一泊二日で神奈川研究会の合宿がありました。神奈川県西部の面積225平方キロ、90パーセントを山林が占める中山間地の町、山北町がテーマでした。
神奈川研究会は、少子高齢化、人口減少問題や在日アメリカ軍基地問題まで神奈川県が抱える課題を研究者や地方議員ら有志が二か月に一回集まって意見交換しています。
急激な人口減少を食い止めるため山北町が取り組んでいる対策を山北町の湯川町長から直接伺いました。JR御殿場線の駅前に建設した定住促進住宅は満室だということです。
民間事業者が建設し家賃によって事業者は投資資金を確保する方式で建設しました。事業費はおよそ10億円で2014年より入居が始まりました。
平均家賃は、5万2千円から7万8千円で65平米から80平米の広さです。中堅所得層をターゲットに募集し所得によって家賃に差を付けています。
鉄筋コンクリート6階建てで42戸、もちろん地域集会施設もあります。転入が23世帯で転居が19生態の割合で子育て世帯が入居しました。
湯川町長は「中間所得層は対策をとらないと隣町の開成町に皆行ってしまう。」と事業の狙いを明言してました。人口減少を食い止める即効薬ということです。
「皆開成町へ」というのは実態と違いますが宅地開発が進み人口が伸びている隣町への対抗措置をとるという選択は当然です。人口流失を放置はできません。
私は、話を伺ってこの政策は大成功だと思いました。JR御殿場線の山北駅は乗降客が減り駅員の配置が無くなった駅です。そうした場所の地域再生の手掛かりを得たと思います。
若い世代の入居を起爆剤に寂れてしまったかつての鉄道の町山北の玄関口の再生を力強く前進させて欲しいです。人が来ればにぎわいます。第一歩は確実に踏み出せました。
周辺には飲み屋さんも並び始め木造の家屋を改造したおしゃれなカフェも出来ました。鉄道の町を象徴する蒸気機関車D52もボランティアの手で動くようになりました。
3700万円の地方創生交付金を使っての取り組みです。12メートルの距離の線路を敷設して動かしました。小さいな一歩ですがその可能性は大きいです。
120メートルに延伸しようと募金を集めてます。小さく一歩ずつ着実に進み二宮金次郎の「積小為大(せきしょういだい)」方式です。大々的に発信し前進あるのみだと思いました。
湯川町長の案内で丸山という標高330メートルの山の上の造成地に進出した最先端実験施設開発メーカー「トヤマ」の社員食堂で昼食を食べました。
曇っていて富士山は見えませんでした。それでも絶景の雰囲気はたっぷり味あうことができました。また世界の最先端を疾走する従業員数155人の小さな会社の雰囲気も魅力的でした。
地域貢献に積極的な小さな世界企業の誘致は山北町の未来を輝かすと確信しました。社長がすこぶるユニークな方だと湯川町長から伺いました。
とてつもない可能性の種がまかれたとぞくぞくしました。丸山という里山と世界の最先端が結合して地域に鮮烈な未来の光をもたらす予感がしました。