開成あじさい祭りを題材にイベントとまちづくりを考える。

地方自治体はあの手この手でイベントを考えて町の名を発信し、観光客を集めて地域の経済を勢いづけようとします。担当部署は大忙しだと推察します。

日々の仕事に追われてしまうとイベントそのものが目的化してしまい、何のためにイベントを始めたかという原点が疎かになってしまいます。

また時代に即した新たな発想が生まれずマンネリ化現象が目立ち始めます。全国各地の地方自治体でこうしたイベント疲れ症候群が出ているのではないでしょうか。

神奈川県開成町を挙げてのイベント、開成あじさい祭りもイベント疲れ症候群の症状が見えていていささか心配になりました。早急に手を打たないと症状は重くなります。

3日から11日のお祭り期間中、4日の日曜日と10日の土曜日、東京、横浜、それに宮城県から知人が訪ねて来たので会場を案内しました。

休日でしたが例年より来訪者は明らかに少なかったです。平日は更に少なかったとの話を伺いました。原因は明らかです。花の開花が遅れたからです。

最終日の一番最後のイベントであるコンサートは、毎年、私の同級生たちが中心になって企画しています。お手伝いに出かけました。ようやく賑わいを見せていました。

花がいつ咲くかを正確に予測することは困難です。それでも桜の開花が遅れた状況などを受けて花が遅れても少しでも来場者を増やす努力はできたのではないでしょうか。

人気の町のキャラクターあじさいちゃんと一緒に町長が緊急キャンペーンを張るとか一生懸命頑張っている姿を見せることがもっとあってもよかったと思いました。

イベントはまちづくりの手段だと冒頭述べました。イベントをただこなすのではなく開成町のまちづくりを発信する手段として活かす必要があります。

今回で30回の記念大会だというのに開成町のまちづくりを表現するイベントとして工夫が凝らされているようには思いませんでした。首を傾げました。

30回という節目は、まちづくりを発信する決定的チャンスです。現在の町政が推し進めようという「田舎モダン」というまちづくりをイベントで表現する必要があります。

例年とさほど変わった内容でないのはもったいないです。あじさい祭り全体で「田舎モダン」な町のイベントとは何かをプロヂュ―スして欲しかったです。

もう一つ注文を付けさせてもらいますと海外への視点が全く欠けていることです。これだけ国際観光の振興が言われているのに井の中の蛙ではいけません。

私が町長の時に世界の箱根と連携しようと箱根町のブースを設けました。この流れを更に強化して箱根町に訪れる大勢の外国人観光客にアピールすべきです。

30回記念ですので最低限英語、出来れば中国語と韓国語のパンフレットやインターネットを通じての発信を特別プロジェクトで取り組んで欲しかったです。

外国人にとっては美しい田園風景とかやぶき屋根の古民家という景観はたまらない魅力だと思います。花が咲いてなくても満足してもらえると思います。

新たな挑戦をしていかないと祭りはいずれ廃れて行きます。町長の指導力が問われる事柄です。今回を反省材料として次回につなげて欲しいです。