神奈川県開成町職員による1日大学講師1

(開成町役場企画政策課 大石卓哉さん)

昨日の神奈川大学政策過程論、ゲスト講師を招きました。神奈川県開成町でまちづくりの総合戦略を担当している大石卓哉さんです。

まだ30代半ば、役場に入って12年目のバリバリの現役職員です。1時間程度で講義をお願いしたところ、ほぼピタリと時間内に収めました。

最初にまちづくりは、決まったことをこなす「運営の時代」から、将来的などのようなまちを創造していくか「経営の時代」に入ったと総括していました。

開成町が長期的な都市計画を厳格に定めてまちづくりを進め新しい小学校を先行投資で開校させ人口増をもたらしていることを説明してました。

しかし決して順風満帆ではないことも明確に指摘し人に住んでもらう、赤ちゃんを産んでもらう、高齢者に元気になってもらう三本柱で取り組んでいると話してました。

新たなまちづくりのスローガンとして「田舎モダン」を掲げ、「ほどよい田舎を楽しむ」を具体的な政策にしようと全力を挙げていると話してました。

小さな町の地方公務員の楽しみは「数10年先を見据えてどんな町を築くかを考える仕事」でやりがいのある仕事だと結んでいました。

内容も充実していて動画も織り込んであって飽きさせませんでした。150人ほどの学生、寝ている学生はいませんでした。見事でした。

現場の躍動感がありました。私が町長を辞めた2011年3月以降のまちづくりの動きも説明してくれて私の講義を補った形になってました。

学生から開発を進めるのと自然を守ることは矛盾ではないかという鋭い質問がありました。大石さんは町の北部と南部でバランスをとっていると答えていました。

今回のゲスト講師による特別講義は、開成町役場の好意で実現しました。町役場が職員研修の形で派遣してくれました。大石さんも良い体験だったと話してました。

2006年4月開成町役場の職員ですので私が町長の時です。当時は、就職難で地方公務員に希望者が殺到していました。大石さんは目立ってました。

神奈川県真鶴町出身で地元の伝統的な祭りのことにも深い関心がありました。採用面接でこの男を採用しようと直感が働いたことを覚えています。

その大石さんが堂々とまちづくりを講義している姿を観てその成長ぶりに胸が熱くなりました。大石さんのメッセージは学生の心に響いたと思います。

実は大石さんも神奈川大学法学部の卒業生です。先輩からの呼びかけでした。地方公務員志望の学生もそれなりにいますので目指す目標が出来たのではないかと思います。

現在は人手不足が顕著で民間企業の採用が絶好調です。地方公務員希望者の減少が言われています。大石さんの講義は開成町役場にとってリクルート活動だとも言えます。

小さな町で優れた人材を獲得するためにはどんどん大学に出張って行ってリクルートを兼ねた出前講義をすることは非常に有効な手段だと思います。

来週は、教授を務める日本大学危機管理学部の講義に開成町職員で日本大学出身者をゲスト講師に招きます。学生と準備を進め議論する講義にしたいです。