災害対応のため自衛隊、消防などの増員へと踏み切るべき。
九州北部の豪雨の土砂崩れの映像を見ると2010年9月に静岡県東部と神奈川県西部で派生した記録的集中豪雨による土砂崩れを更に巨大化した災害であると思いました。
山林が谷筋に沿って行く筋も崩れ落ち土砂が山間の集落地域の方向へと流れ込んでいました。きれいに整備されたスギ林の山林もひとたまりもないように見えました。
昨晩のNHKの番組に登場していた専門家の分析では降り始めからの雨量が場所によっては700ミリに上ると推定されると解説していました。膨大な雨量です。
非常に湿った空気が流れ込むと1000メートル級の山であっても斜面にぶつかり上昇気流が発生し集中豪雨になると分析をしていました。どこで起こるか判らないということになります。
こうした分析を聞いていてなるほどと思う反面、いつも虚しく感じてしまうのは、派生した後に発生メカニズムを分析、解説されても如何ともしがたいということです。
昨年4月の熊本地震では震度7の強烈な揺れが2度続きました。2度目が本震であったと後々の解析で判明しました。この事例が典型的です。発生後の解説では人々は救えないのです。
毎年のように集中豪雨が頻発している事態を深刻に受け止め、集中豪雨対策をまず一つの突破口にして災害対策の考え方を根本から改める必要があるのではないでしょうか。
発生が防げないとすると頼りになるのはマンパワーです。今回の九州北部の集中豪雨うでも自衛隊の活躍が欠かせません。災害救援部門の人員を大胆に増員する必要を感じます。
災害対応の最前線を担う国土交通省の災害対応部隊も人員の確保が十全であるかチェックが必要です。地方自治体の消防組織も同様です。人員削減の余波を受けている可能性があります。
国も地方も財政は厳しいのは承知のことですが住民の生命を守るのは国家に取っても地方自治体にとっても基本の仕事です。人件費の増加は止むなしと考える必要があると思います。
地方自治体、とりわけ小さな市町村の悩みの種は災害救援に詳しい専門家の確保です。非常勤で何とか確保しているのが現状だと思います。充実させるべきではないでしょうか。
個々の市町村で専門人材の確保が難しいのならば広域の市町村で対応するかあるいは都道府県が中心となって人材確保し必要に応じ市町村に迅速に配置する体制を考える必要があります。
専門人材として最も適任なのは自衛官や消防のOBです。特に自衛官は若くに退職されます。国家として自衛官の地方自治体への再就職を促す必要があると思えてなりません。
人件費を増加を怖れいざといいう時に人員不足で犠牲者を増やしてしまうのは愚の骨頂です。ここは国家として災害対応人材の確保に取り組みことを喫緊の課題としてもらいたいです。
自衛隊を憲法に明示しその存在を誇示しようとするより自衛隊の災害対応部門を充実させたり自衛官のOBを地方自治体に配置したほうがはるかに自衛隊の存在意義を示すことになります。