公私をわきまえない政治の堕落~西郷隆盛精神を学ぶべし~
衆参両院での閉会中審査、安倍総理の答弁を聞いて落胆しました。今頃になって「李下に冠をたださず」なんてあんまりです。遅きに失しています。
総理大臣は日本の政治家のトップです。疑わしいふるまいをしてはならないのは常識中の常識です。その人物が、今頃になって反省しても手遅れです。
国家戦略特区とは国家全体の観点からみて特別扱いする仕組みです。要請している側のトップと決める側のトップが飲み食いやゴルフをしてよいはずがありません。
親しいから許されるのではなく逆で親しいなら余計に疑われないように注意、配慮するのが一般常識です。安倍総理の倫理観は明らかにずれています。
安倍総理はかつての答弁を修正までして親しい人物からの特区申請の内容を知った時期を今年の1月としました。命取りになると直感しました。
強引につじつま合わせをしている印象があり総理大臣に対する不信が増大するのは確実とみられるからです。安倍政権いよいよ危険水域に入ってきました。
公私のけじめがあいまいなのが発端です。政治家として公私の峻別を問うた代表的な人物は明治維新の立役者西郷隆盛です。西郷の言葉を記した『遺訓』を読んで欲しいです。
政治家にとって公私混同は絶対にまかりならぬと厳命してます。親しい特区の申請者と飲み食いゴルフをしていると西郷が知ったならば一喝するでしょう。
西郷は『遺訓』で私心のない行動の一つに自分以上の人材が出てきたらすぐにその人に職を譲れと言っています。ここが現在の日本の政治の悩みの種です。
代わりがいないことが安倍体制を支える構図となっているのです。内閣改造直前でポストがちらつき動けない政治家ばかりです。ここで行動に出ればその人物が本物です。
蛮勇をふるって安倍退陣をぶち上げる政治家はいないのでしょうか。選挙になれば当選が危うい若手が徒党を組んで騒いでもおかしくない状況になってきたと思います。
一方、地方政治家の質の低下を象徴する出来事もありました。秋田県の佐竹知事のことです。これまた私的ゴルフに出かけ、とんでもない失態を演じました。
よく知事の座にとどまっていられるかと思うような不祥事です。秋田県の地域防災の最高責任者が集中豪雨が予想される中で隣接する宮城県でゴルフです。
酒を飲んで一泊したうえ帰ろうとしたら土砂崩れで戻ることができず災害対策会議に出席できなかったと報道されてます。即刻クビものです。
昨年の7月神奈川県が設置している知的障害施設で46人が殺傷される事件が発生してから今日でちょうど一年。黒岩知事は事件の直後に平然と夏休みを取得しました。
佐竹知事と同様私的行事を優先させたことになります。果たして正しい行動であったかどうかは一般常識から判断せざるを得ません。間違ったと言わざるを得ません。
国も地方もトップの資質を厳しく問わなければなりません。公私の区別をつけられず権力者の座に就くことはその進路を危うくします。西郷精神を今こそ学ぶべきです。