大学生に学ぶまちづくり
3日、日本大学の採点結果の報告が終わり前期の業務は一段落です。まちづくりにおいて大学生に学ぶ点が多々ありました。
現在の日本の最大の課題である人口減少・少子高齢化時代におけるまちづくり、首長の役割を開成町を参考に論じてもらいました。
大学によって学生の気質の違いもあります。日本大学は、50人のクラスで1、2年生です。型にはまっていない刺激的な答案が結構ありました。
私の講義での論点に真っ向から異論を唱える学生もいて歯ごたえがありました。1、2年生なので元気が良いのかもしれません。
神奈川大学のほうは3,4年生で、正統派の答案が多かったです。優れた答案も、型破りではなくきちんとまとめた秀才型でした。
その中に着実に人口を増やし昨年単独で市に昇格した宮城県富谷市、九州新幹線新駅の開業をにらみ口増を続けている長崎県大村市の調査報告がありました。
日本大学、神奈川大学ともに双方の大学のOBである現役の開成町役場職員をゲストティーチャーに招いたことは学生に良い刺激を与えました。
開成町の町づくりの新たなスローガン「田舎モダン」は学生たちに好評でした。田舎であってもおしゃれで住みやすいというのは受けが良いです。
ただ、開成町の現在のまちづくりにおいてグローバルな視点が欠落しているとの指摘もありました。これは開成町だけでなく足柄地域の欠陥です。
すぐそばに世界的観光地の箱根があり大勢の外国人観光客が押し寄せているのに活用できていないのは今後の大きな課題です。
日本大学の学生の優れた論文の中で共通して指摘されているのが若い世代の意見の吸い上げの仕組みが不足しているということでした。
全国各地の先進的なまちづくりを展開している自治体においては若者たちを集めて模擬議会や懇談会を定期的に開催したりしています。
居住していない都会に住む若者までにも積極的に声をかけ意見を聞こうとしている事例も報告されていました。完全に出遅れていると言わざるを得ません。
学生たちは高齢者に仕切られている政治の現状に不満を抱いています。投票率も高齢者が高いので高齢者に有利な政策ばかりが展開されると心配してます。
こうした現状を踏まえて世代間のバランスが取れた政策を推進していくためには積極的に若者たちの声を取り入れるシステムが不可欠ということです。
未来を担うのは若者です。若者にまちづくりに関心を持ってもらうためにも若者を集め思い切った政策を考えてもらう必要があるのではないでしょうか。
私のリーダーシップの発揮の仕方についても日本大学の学生から厳しい指摘がありました。首長は前面に出るのではなくフォロワーになるべきだというのです。
ここはいささか反論があるところです。自発的にまちづくりに参画する町民ばかりならば側面支援で済みますがそうはいかないのが実情です。
首長は、地域のまちづくりにおいては半歩前に出て議会と住民を喚起し、外に向けては一歩も二歩も前に出て積極果敢に町を売り出す行動が不可欠だと思います。