ハト派”重鎮”保守政治家の虚妄を衝く!

戦争に敗れ終戦を迎えた日の8月15日、神奈川新聞は、特集記事を組み河野洋平元自民党総裁のインタビュー記事を掲載しました。

やり取りを読んでいて虚しさを覚えました。言葉巧みで立派なやり取りが掲載されています。しかし、残念ながら実を感じません。

河野氏が政治家として「語る人」であって「する人」ではないことに原因があります。河野氏は言論政治家であって実践政治家ではありません。

河野氏は陣笠政治家ではありません。元自民党総裁で元外務大臣を務めました。1995年9月4日をよもや忘れてはないと思います。

沖縄で小学6年生の少女が沖縄に駐留するアメリカ軍兵士3人に暴行された日です。この事件で沖縄は反米意識が一気に高まりました。

日米地位協定のあまりの不平等さが満天下に示された事件です。怒髪天を突くような事件を起こしても日本の警察は逮捕できないのです。

当時の外務大臣であった河野氏がアメリカと真正面からぶつかって対決したという話は寡聞にして聞いたことがありません。

戦うべき時に戦っていないのです。インタビューで安倍総理の対米追随を批判していますが自ら戦っていないのに一方を批判するのは迫力がありません。

神奈川新聞は河野氏がいわゆるハト派保守政治家の重鎮ということで特集を企画したのでしょうか問題意識が浅薄すぎます。

もし特集を組むとしたら「なぜハト派保守政治家はこれほどまで脆弱なのか」というテーマでその代表として河野氏を直撃する必要があります。

インタビューする記者は「どうして日米地位協定の改定に命を懸けなかったのですか!」と詰問するぐらいでないとお話になりません。

小選挙区の導入によって政治に多様性が失われたと発言してます。この制度は、河野氏ご自身が認めているように河野氏が自民党総裁として決断しました。

当時の細川総理と合意した結果衆議院に小選挙区が導入された事実があります。「責任を感じている。」程度の認識ではすまされないほど重い決断でした。

棚に上げて評論することは許されません。記者ならば「責任意識が希薄すぎると!」と追及するのはジャーナリストのイロハのイでしょう。

河野氏は、小選挙区導入後の衆議院選挙で長男の太郎氏と親子で選挙区を山分けして第15区と第17区を地盤継承しました。多様性の道を自ら寸断しました。

また、「政治とは戦争をしないこと」との発言が見出しに躍っていました。安倍政治は戦争の方向に向かっていると言いたいのでしょう。

安倍総理は、アメリカと手を組まずして日本の安全が確保できると思うのか。戦争をしないためにアメリカと手を組み日本の安全を確保していると反論するでしょう。

ここで河野氏の主張が迫力を持てるとしたら自らが現役の時にアメリカと対峙してアメリカの軍事戦略に待ったをかけた実績がなければなりません。

ありません。引退し気楽な立場になって発言しているにすぎません。だから凄みが出ません。日本のハト派と言われる保守政治家の共通の弱点です。