「自治会夏祭りはまちづくりの学校」

「地方自治は民主主義の学校」という有名な言葉があります。イギリスのジェームス・ブライスという学者であり政治家の言葉です。

地方自治という小さな単位での政治は住民との距離が近く主権者意識をもって政治にかかわりやすく、国家という大きな政治を担うための学校だと位置づけました。

私はこの言葉をより具体的で実践的な話しに深めてみようと思います。「民主主義」というような固い政治用語ではなく日常の言葉で語ります。

自らが生活している町をどう創っていくか、まちづくりが地域においては最大の課題です。その課題に住民が主体的に参画していくことが大切です。

範囲は自治会、町内会単位が適当です。住民が自治会、町内会への参画への経験を通じて地域全体のまちづくりへと関心を深めてもらうのが理想です。

きっかけ作りとしては夏祭りは最も適当な手法です。楽しくなければ参加意欲がわきません。子供からお年寄りまであらゆる世代が参加可能です。

19日、私の住む開成町牛島自治会で夏祭りが開催されました。お天気がまずまずだったこともあり大変にぎわいました。

今年の夏祭りは大きな特色がありました。例年の会場である幼稚園の園庭が工事のため使用できず、新たな開発区域の公園に会場を移しました。

一帯は「みなみ地区」と呼ばれる開成町の新興住区域です。現在263世帯、678人が住んでいます。大半が新しく移られてきた皆さんです。

「みなみ地区」は自治会は、まだ正式に発足してなく準備段階です。このため夏祭りは私の住む牛島自治会と共同開催となったのです。

新しく住まわれた方と古くからの住民の方とのふれあいの絶好のチャンスだとの意識をもって夏祭りに取り組めば意義ある節目のイベントとなります。

そうした方向性が垣間見えました。夏祭りの司会を元気な若いママさんが担当していました。新たに「みなみ地区」に住まわれた方でした。

なんと子供さんが私の孫と同級生でお嫁さんと交友がある方でした。JR東海の新幹線の運転手で今は運転研修センターに勤務のキャリアウーマンでした。

若い外からの力がしっかりかかわっていることに感動しました。こうした力を地域の自治会がどれだけ活かすかで今後の自治会活動は全く異なります。

開成町として今年の夏祭りを新たに誕生しようとしている「みなみ地区」の自治会の発足に向けての画期とどこまでとらえていたかが気になりました。

町役場の職員も何人か住んでいて積極的に自治会活動に関わっていると聞いていますが夏祭りに関して前面に出ている様子ではありませんでした。

日本は人口減少が進み新たな地域が誕生する事例は稀です。開成町はそのチャンスに恵まれているのです。どのような地域づくりが展開されるかは大注目です。

新しく住まわれた方々が自らの自治会活動により積極的にかかわり他の自治会に刺激を与えるような取り組みへと進んで欲しいと強く思いました。

開成町が人口減少時代におけるお手本となるまちづくりを目指すのであれば「みなみ地区」にもっと大きな関心を持ち取り組みを強化する必要があります。