民進党、共産党との選挙協力見直しの時期ではない。

民進党代表選挙、テレビ画面からうかがえる二人の表情は早くも勝者と敗者の区別がついてしまったかのようです。前原誠司さんは勝者みたいです。

枝野幸男さんの暗い表情からはとても勝利を想像できません。もはや勝負あったととしか思えない雰囲気を醸し出してしまっています。

今回の代表選挙は、民主党政権時代から党の顔であり続けた二人の対決です。党運営のスタンスの違いが鮮明に表れていて民進党の将来を示す選挙です。

それだけに枝野さんの暗い顔が気になります。がけっぷちの民進党にとって正念場の代表選挙です。がっぷり四つにで選択を迫って欲しいです。

私は前原さんの理想主義に対して枝野さんの現実主義の戦いとみています。前原さんは共産党との選挙協力を見直して選挙を戦えると主張します。

しかし頼りの労働組合の組織率の低下で足腰の弱い民進党にとって共産党との選挙協力を度外視して選挙結果の目算は立てにくいとの現実があります。

しかも10月に行われる衆議院の3補欠選挙は、青森、新潟、愛媛といずれも地方が戦いの舞台で野党共闘の成否が大きなカギを握ります。

東京都議会選挙のような都市部のイメージ選挙ではなく与野党激突のいわば旧来型の戦いとなります。共産党との連携は欠かせないです。

そうしたタイミングで理想を追い自民党との政策の違いをあいまいにし政権担当能力を示す政党づくりへ突き進むことは大きな危険が伴います。

直前に迫った補欠選挙に悪影響を与えるからです。前原さんの理想主義が勝利して弾みをつけなければ明日がない民進党を危うくします。

この点では枝野さんの主張のほうが現実をとらえています。必勝を迫れている選挙戦でとにかく勝つ体制の構築が一番だという考えだと思います。

当面の天王山で勝つことによって初めて理想を追い求めることができると判断するほうが私は常識的だと思います。ただ、現状の代表選の流れは逆です。

前原さんが勝って前原ブームが起これば前原さんの理想主義の打ち上げもあってもよいでしょうが、ブームが起こるとは思えません。

憲法、安全保障、消費税、原子力発電といった基本政策で自民党との政策論議に応じることで政権を担う政党に脱皮しようとの理想論はブームなしには困難です。

民進党はいよいよ崖っぷちから転げ落ちる方向に徐々に進み出していると見えます。あとは神頼みというか神風が吹くことを祈るのみです。

神風が吹かないとは言えません。加計学園をめぐる疑惑は収まるとは思えません。森友事件もどんな展開が待っているか予測がつきません。

安倍総理が立ち往生する可能性があり得ると思います。神風を活かそうとするのであるのならば本来ならばわきを固めて結束を強めることが第一です。

前原さんが主張している路線は一歩間違えば民進党の瓦解につながります。今はそうした危険を犯す時期ではないと考えるのが妥当です。

天王山の補欠選挙の勝利の一点突破でを乗り切ることです。そのためには団結です。それができなければ民進党の明日はありません。