なぜ民進党は捨て身の迫力を持てないのか。

昨日、ブログで民進党代表選挙でどちらが勝利しても10月、青森、新潟、愛媛で行われる衆議院補欠選挙が天王山と書きました。

そうした危機意思を持っているのならば共産党との選挙協力の見直しに現段階で言及するのはリーダーとしていかがかという意見です。

選挙協力を進めることと一緒に政権を構成することとは全く異なります。民進党の現在の実力からすれば共産党との選挙協力は不可欠です。

必勝が使命の補欠選挙で勝利してその後民進党としての基本政策を再検討し政権を担うための構想を打ち上げる準備に入るのが党運営の常識です。

前原誠司さんが共産党との関係を見直してでも理想を追い求める姿勢を打ち出すのは民進党を取り巻く現状認識が甘いからだと思います。

危機意識が足らないと言い換えても良いと思います。結果として発言に自らを捨てて賭けている迫力が前面に出てきません。

民進党の衆議院議員の阿部知子さんが「前原より前川」と発言したとの記事を目にしました。週刊ポストのインタビュー記事の紹介です。

前川さんとは加計学園問題で安倍政権の対応に文部科学行政をゆがめたと問題提起した前文部科学省事務次官の前川喜平さんのことです。

阿部知子さんは前川さんの捨て身の迫力こそが現代の民進党に最も欠けているものだと鋭く語っています。要は「保身」ではだめだと問うているのです。

阿部さんの意見に全面的に同意します。ほとばしるような情熱と賭けている使命感、そんな情念が伝わらないと民意を動かすのは難しいです。

政策はもちろん大事です。しかしそれ以前の問題としてがけっぷちの野党第一党の代表となる方には捨て身の迫力を持つ情念が欲しいです。

本題から外れてしまいますが阿部知子さんは今回の代表選挙で前原さんの推薦人となって前原代表誕生に向けて先頭を走っています。

原発や安全保障政策、憲法改正という基本中の基本政策で阿部さんと前原さんは相当に隔たりがありますので奇異な感じを受けます。

それでもあえて前原さんを強力に押すのは「捨て身」の行動なのでしょうか。よもや勝ち馬に乗るという「保身」ではないでしょうねと確認したい気分です。

政治家個々人の立ち回りをうんぬんしても空しいですので本題にもどります。阿部知子さんの民進党には情念というか捨て身の迫力が足らないとの指摘は重いです。

繰り返しになりますがまず危機意識が不足しています。それと本気で政権を取ろうとしていないのではないように思えてなりません。

民進党が今回の代表選挙を通じて一番考えなければならない論点だと思います。なぜ捨て身の迫力を発揮することができないかです。

労働組合に依存していれば選挙は何とか戦えるという構造的問題がまず挙げられると思います。労組組合におんぶにだっこから抜けなければなりません。

民進党にはきらびやかな経歴を誇るきらびやかな国会議員が多いです、しかし、まちづくりの現場との縁が薄く地域に根差せないのも迫力不足の一因です。

一朝一夕に修正できません。しかし、新代表は、捨て身の迫力を出せない構造的問題に真正面から向き合い、まずは自ら変身の道を歩む必要があります。