中国訪問記3~「生涯現役」をアピール~

今回の訪中団は、総勢26人です。年齢のことを言っては恐縮ですがシニア世代の方も大勢参加しました。身体が不自由で車いすで移動の方もいました。

しかし、メンバーが精一杯、日中国交正常化45周年の年に神奈川県小田原市と中国河南省・安陽市との友好関係をはじめ努力している姿が貴重だと思いました。

世のために貢献することで年齢を重ねても元気で頑張っていることを今回の訪中でどうしても中国側に知ってもらいたいと思いました。

伝えるためには短い言葉で発信することが必要です。私は「生涯現役」という四文字を選びました。この四文字を伝えるように心がけました。

8月30日、河南省・登封市の第二中学校を訪問しました。登封市は中国最初の王朝「夏」の創始者、禹の生まれ故郷とされる地です。

女性の副校長が応対してくれて「夏」や禹の歴史と文化を地域の特色として大切にし禹についての伝承や風俗を教科書にしていると説明してくれました。

「足柄の歴史再発見クラブ」の活動と共通性があると思いました。副校長と同じ女性で元小学校の教師の大井みちさんが参加していました。

大井さんに発言を促しました。大井さんは、「足柄の歴史再発見クラブ」の主要メンバーで故郷の災害の歴史を学び子供たちに伝える取り組みをしています。

取り組みの概要を通訳を通じて伝え「生涯地域のために頑張りたい。」と話をまとめました。聞いていた副校長の表情がみるみる変わりました。

親指を突き上げて、まるでアメリカ人のように「いいね!」のしぐさを見せたのには驚きました。胸に響いたと思いました。

中国では地域と一体となって教育を進めるという発想はまだないのだと推測します。出前授業に賭けている大井さんの姿勢に感動を覚えたのだと思いました。

翌日の31日、登封市では、中国、日本、韓国の研究者や郷土史家が集まって禹に関する国際会議が開かれ研究発表が行われました。

中国と韓国の参加者は、そうそうたる研究者の方々です。日本側は代表の私をはじめその分野の専門家という訳ではありません。

しかし専門的な研究者でなくても禹をどのようにとらえ実践活動をしているかという点に関しては発表する意義があると思い参加しました。

いわば素人の代表者として大井みちさんが研究発表をしました。スライドを使って「足柄の歴史再発見クラブ」の歩みを端的に説明しました。

素人が故郷の足元の歴史を学ぶ中で禹の遺跡があることを発見し中国との交流が始まり広がっていることなどをわかりやすく紹介しました。

タイトルは「目指すは生涯現役社会!!」でした。大井さんの締めの言葉も「子供たちとともに生涯現役で頑張りたい。」でした。

研究発表大会の終了後、司会を務めていた専門研究者の方が私のところにきて「素晴らし発表だった!」と感想を述べていました。

素人集団の活動が中国の専門的な研究者に対して新鮮な驚きをもって受け止められたと確信を持ちました。参加した意義があったと胸をなでおろしました。