訪中して中国の治水神禹王(うおう)を題材に日中文化交流を提案します。

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5月5日、神奈川県南足柄市の大口(おおくち)の土手の上にある神社で祭礼があります。福沢神社で元々の名前は文命社です。文命とは中国の治水神禹王(うおう)の別名です。

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1707年の富士山の大噴火後の酒匂川の大水によって大口の土手は決壊しました。1726年になってようやく治水工事はひとまず完了し安寧を祈り文命を祀る祠と石碑を建てました。

建立したのは元川崎宿の名主から抜てきされた田中丘隅(きゅうぐ)で資金を提供したのは当時の江戸幕府八代将軍徳川吉宗です。中国の文化を尊重していた現れです。

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田中丘隅は、村人に毎年5月に祭りを行い、その際に石を持ってきてイザという時の備えにすることと木を植えて土手を強固にすることを求めました。今日まで続いているお祭りの原点です。

中国の治水神、禹王に関わる遺跡や地名は尾瀬沼のある群馬県片品村、高松、広島、大分など日本全国で50か所を超えます。中国では少なくとも300か所に上ると見られています。

台湾や韓国にも遺跡が見つかっていますので東アジア全体に広がった文化遺跡だといえます。この共通項を大切にして文化交流ができると考えました。

今月20日から26日まで訪中して中国の学術や文化交流を担当している社会科学院を訪問し最高幹部の皆さんに直接、禹王に関する文化交流の実現を訴えることにしました。

禹王は紀元前2070年中国最初の王朝「夏(か)」を開いた人物で、その遺跡のある河南省二里頭、黄河の治水で最も難所と言われる山西省禹門口なども観て来る予定です。