中国訪問記8(最終回)~日中歴史文化・民間交流のこれから~

9日横浜市で神奈川県日中友好協会の講演会がありました。講師は元中国大使で全国の日中友好協会の会長の丹羽宇一郎さんでした。

丹羽さんの主張は明快でした。まず、経済発展を続ける中国の現実をあるがままにしっかり受け止めることが大切というものでした。

中国が嫌いだから日本を経済力で上回るなんて許せないといった色眼鏡で見てしまいゆがんだ中国像に基づいて判断することの愚かさを指摘してました。

中国の巨大な市場は更なる発展を続けさせようと壮大な実験をしているのであって日本はその進路が安定するよう協力し共存共栄を志向すべきとのことでした。

中国の経済発展の現実を直視せよとの指摘は100パーセント以上同意します。依然としてものすごい勢いで経済発展は継続しています。

巨大な北京空港はごった返してました。新たに再来年巨大な新空港を建設します。現在の利用客数が8600万人、もう一つ同規模以上のものが誕生します。

この事実一つをとっても中国の国内総生産額が間もなく日本の3倍を超えそうだという予測が現実であることが想像つきます。

しかし日本が経済で中国に負けるなんてありえないし許せないなどという信念で現実をあるがままに見ることができないと反応が狂ってきます。

中国の負の側面をことさらに強調して中国けしからん論に加担したり、中国包囲網を推進する論陣に過度に傾注したりしてしまいます。

丹羽さんは、そのような態度をとってみたところで中国の経済発展の現実を変えることはできないことを言いたいのだと思います。

しかし、経済的側面だけをとらえて日本と中国の共存共栄を目指すことはできません。仲良くするのには信頼感の情勢がなければなりません。

民間の日中交流がおろそかにできません。地道ではあっても双方の国民が理解を深めることが長期的に安定的な関係を創っていくためには必要不可欠です。

私は本当の観光振興が有力な手段だと思います。観光は中国儒教の古典『易経』の「國の光」を観るから取られた言葉で「光」とは地域の文化や暮らしぶりです。

観光とは、物見遊山ではなく地域に根差した文化や歴史を学びよく観ることだと言い換えてよいと思います。この活動を盛んにすることで理解を深めるのです。

今回の中国訪問で一番強い印象を受けたのは河南省登封市の農村部での祭でした。地域の方々の一生懸命さが観る私たちの心を揺さぶりました。

これぞ本当の観光だと衝撃を受けました。日本と中国双方でこうした本当の触れ合いを感じる場面を創ることができれば信頼感は増します。

もう一つは将来を担う青少年の交流です。今回の訪問のハイライトは西湘日中友好協会が河南省安陽市と取り組んだ日中青少年書画展でした。

今回は展示会でしたが、今後は、出展した日本と中国の青少年が、実際に交流し触れ合う場面を創っていくことが大切です。

日本と中国では文化の違いがあります。その一方で共通性があります。違いと共通性を理解して多様な文化が世界に存在することを知ることです。

日中友好を目指す民間団体にとって現在の日中関係は心地の良い環境ではありません。しかし、たじろがず地道に実績を積んでいくことが求められます。