安倍一強体制を崩す刺客は、小池都知事。

今回の衆議院の解散総選挙でひょっとしたら起こる得るかもしれない事件は、2012年末以来続いてきた安倍総理の一強体制が揺らぐことです。

自民党政権ではなく安倍一興体制が揺らぐという点をきちんと押さえなければなりません。現状で自民党政権自体が揺らぐことは想定できません。

安倍一興体制を崩したいのならば自民党がどれだけ議席を減らせば揺らぐかを綿密に計算し勝てそうなところに照準を絞り込む作業が必要です。

そのためには野党の選挙協力が欠かせません。子供でも分かる単純明快な事実です。しかし民進党の前原代表はこの理屈が分からないようです。

民進党の現状が見えていないからだと思います。自民党に代わる政権の受け皿を作るなどということは妄想です。しがみついてはなりません。

現在の民進党はせいぜい自民党の議席を少しでも減らすための触媒の役割を果たすことです。積極的に野党間の選挙協力を進めることが任務です。

野党間で最も期待を持てるのは小池東京都知事が事実上率いる都民ファーストの会です。都民ファーストの国政進出は歓迎すべきです。

小池人気がまだまだ根強い今だからこそ選挙協力のメリットがあります。民進党には全くない輝きを持っている政党と組むのは当然です。

民進党を飛び出していった議員を平時ならばたたく余裕もあるでしょうがこの有事にそのような時間はありません。前原代表は小池都知事と組むべきです。

小池都知事が舌鋒鋭く安倍総理を批判し続けたらメディアが両者の対立を煽り立てて騒動となります。野党にとっては願ってもない事態です。

小池都知事は単なる人寄せパンダではなく権力者を渡り歩いた百戦錬磨の政治的カンと度胸を持っています。安倍総理に対抗できる最強の役者です。

目いっぱい踊ってもらえる状況を作り出すことに野党第一党の民進党は一肌脱ぐべきです。取るに足らないこだわりをもって行動を鈍らせてはなりません。

首都圏はいうまでもなく全国各地へ許す限りの遊説に引っ張り出すことができるかどうかが今回の総選挙の勝負の分かれ道だと思います。

もう一つは共産党との選挙協力です。現在の野党各党の人材の中で共産党の志位委員長の練れた政治的センスは他を圧しているように見えます。

志位委員長の冷静沈着な判断力を借りて勝てそうな選挙区を増やすことに全力を傾注することが民進党にとって必要な対応です。

共産党が好きだ嫌いだは民進党がもっと強くなって本当に政権を担えるような政党に進化を遂げたときにじっくりと考えても遅くはありません。

民進党にとって危急存亡の時です。くだらないメンツにこだわっている余裕はありません。とにかく一議席でも野党議席を増やすことしかありません。

野党が仮に勝利しても大阪の日本維新の会は安倍総理に協力的な対応をとるでしょう。小池都知事の都民ファーストと共産党が頼りです。

10議席、20議席と自民党が議席を減らせば安倍一興体制は揺らぎます。30議席減らせば交代論です。ここまで持ち込んで初めて政治の流れが変わります。